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ストップ高価格でも買いと売りが同数ならば買える
理論上、ストップ高となる株価でも、すべての注文が約定する場合もあります。それは、売り注文と買い注文が同数の場合です。
たとえば1,300円でストップ高となる銘柄Xに、成行注文を含みその1,300円で5,000株の買い注文が出ていたとします。しかし、同じ価格で同量の5,000株が売り出されていた場合は、過不足なく取引が成立します。ですからその場合は、1,300円で買い注文を出した投資家のすべては、銘柄Xを買うことができるのです。
買いの方が多ければ証券会社ごとに比例配分される
しかし、ストップ高というのは買いが殺到して価格が急騰する現象であるため、実際には需給のバランスが崩れがちです。その場合は、大引けの時点でも買い手が売り手より多くなってしまいます。
そんな時にどう取引を成立させていくかを定めたのが、「比例配分」のルールです。
再び銘柄Xが1,300円でストップ高となる例を挙げますが、今回は買い注文数が5,000株に対し、売り注文数が1,000株だったとします。この場合、売りが1,000株なので、取引が成立するのは1,000株のみとなります。そしてその1,000株は、買い注文数の多い証券会社から順に、1単位ずつ割り当てられていくのです。
たとえば、買い注文計5,000株の内訳として、証券会社Aから2,000株、証券会Bから1,500株、証券会社Cから1,000株、証券会社Dから500株、の注文がそれぞれ出されていたとします。その際はまず、銘柄Xの1単位である100株が、買い注文数の多いA→B→C→Dの順に割り当てられ、1,000株-400株で、残りが600株となります。
次に、再び100株ずつがA→B→C→Dの順に割り当てられ、600株-400株で、残りが200株となります。
最後に、再び100株ずつがA→Bの順に割り当てられ、1,000株すべての売り注文が約定することになります。証券会社Aと証券会社Bには300株が割り当てられましたが、証券会社Cと証券会社Dには200株しか割り当てられなかったのです。これが、ストップ高の株が証券会社に比例配分されていくルールです。
そして各証券会社は、割り当てられた株を、各社で定めたルールに基づいて投資家に割り当てていきます。