【関連記事】資産を確実に増やしていくための「正しいロスカットルール」の決め方
「ロスカット」と「損切り」は基本的に同じ
言葉というのは人間が慣習に基づいて定めていくものですので、絶対的に正しい定義を求めることはできません。しかし、それを踏まえた上であえて、現代日本での「ロスカット」と「損切り」という言葉の意味を、考えてみましょう。
実は、この2つは基本的に同じ意味を持つ言葉です。買った株の値が下がってしまった時に、さらなる値下がりによる損失を被らないよう、一定の株価で売却をして、損失を確定させることが「ロスカット」または「損切り」といわれている行為です。そしてそれは、投資をするうえで非常に重要な行為だといえます。
ちなみに、ロスカットは和製英語のようです。
ただしロスカットには強制決済の意味を持たせることもある
ただし、損切りと異なり、ロスカットは少し違う意味を含んで用いられることもあります。それは、株式投資ではなくFX(外国為替証拠金取引)の分野でのことです。
FXでは、証拠金を取引業者に委託し、手持ち資金以上の取引をすることが可能です。手持ち資金以上の取引をすることを「レバレッジをかける」などといいますが、レバレッジをかけた取引での損失が一定以上になると、買い建ててある通貨を強制決済されてしまいます。レバレッジをかけているため損失が大きくなりますので、それを一定以内に収める仕組みです。そしてそんなFXでの強制決済のことが、「ロスカット」と呼ばれているのです。
したがって、投資家が自主的に損失を確定させる損切りと違い、FXにおけるロスカットの場合は、取引業者によって強制的に損失を確定される、という意味を持っています。
また、「強制ロスカット」という言葉も聞かれます。それも同じく強制決済のことで、損切りとは明らかに異なります。一方で、強制損切りなどという言葉は聞かれません。そして損切りはどんな場合でも、投資家の自己判断での決済による損失確定、という意味で用いられています。