(※写真はイメージです/PIXTA)

小林メディカルクリニック東京の院長である小林暁子先生が自律神経と腸内環境をキーワードとして、免疫力を高く保つ方法を解説します。

免疫力は腸内細菌と自律神経によって支えられている

腸内細菌とは文字通り腸内に生息する細菌群です。ヒトでは個人差がありますが約1,000種類・100兆個もの菌が住んでおり、その住処である腸の粘膜は表面積がテニスコート一面と同じくらいの広さがあります。

 

この腸内細菌のよい働きをする善玉菌は食物から酢酸やプロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸を生成し、腸内環境が最もコンディションのよい弱酸性を保ち、腸内のバリア機能を高め、細菌やウイルスの感染を防いでくれます。

 

さらに、善玉菌は短鎖脂肪酸によって腸内の免疫細胞や神経細胞、内分泌細胞に働き免疫力にかかわります。たとえば、免疫細胞の分化に影響を与え、先述した重要なレギュラトリーT細胞の分化にも寄与し、セロトニンやドーパミンといった神経伝達ホルモンの生成に関与して免疫力を高めてくれます。

 

また、腸内環境と深く関係し、免疫のアップにとって最も重要なものとして自律神経機能があります。コロナ罹患後のコロナ後遺症の患者さんを診察して感じるのは、コロナ後遺症の症状が自律神経失調症状であるという点です。

 

重症化した方ほど後遺症の自律神経機能の低下が著しく、全身的な不調を訴えるケースが多いと感じます。実際に自律神経機能を測定してもあきらかに交感神経も副交感神経も低下していたり、著しくどちらかが高くもう片方が低いというアンバランスをおこしていたりする場合がみられます。

 

自律神経は交感神経と副交感神経のそれぞれの機能と両者のバランスによって機能が決まります。どちらかというと交感神経は身体を緊張させ活動的にし、副交感神経は身体をリラックスさせ休息させます。

 

腸などの消化管は、副交感神経が高まったリラックスしたときによく動きます。1日のなかでも自律神経のバランスは時間によって体に適した変化しますがちょっとしたことでそのバランスが乱れ、体調面で不安定な状況を引き起こします。たとえば睡眠不足や、食事の時間の乱れ、夜遅くまでスマホなど使用することなどで簡単に乱れてしまうのです。

 

近代のストレス社会では交感神経が高ぶりやすい状況でしたがコロナによってさらにその乱れのブレ幅が広がったように思います。自律神経の乱れは全身の臓器の働きや神経系、内分泌系に影響を及ぼし、免疫力低下にも深く関与しますので、日常的に自律神経の乱れやすい生活スタイルを避けるべきです。腸内環境の改善と自律神経の働きの向上のための注意点は共通する点も多いため、最後にケアの仕方を紹介します。

免疫力アップのための腸内環境と自律神経の改善方法

 

■朝起きたらコップ1杯の水をのむ その後1日1.5Lから2Lの水分を小まめにとる

■食物繊維をしっかり摂取する。水溶性食物繊維はとりにくいため意識すること

■発酵食品を適宜とる。いろいろな発酵食品をとるようにする

■運動は早歩きウォーキングなど下半身をよく使い腸が揺れるようなイメージを持つ

■よく咀嚼する

 

自律神経

 

■朝起きたらカーテンを開けて朝日を感じる
■休日に疲れを取ろうとして遅く起きず、いつも通りに起きて早く寝るようにする
■朝食をとり体内時計のスイッチを正しく入れる
■寝る前にテレビやスマホなどで脳を疲れさせない
■緊張していると感じたらワンツー呼吸をする(吸気:呼気の長さを1:2にした呼吸。たとえば4秒ですって8秒ではく)

 

 

小林 暁子

医療法人社団順幸会 小林メディカルクリニック東京 院長

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。