日本のFX会社が狭いスプレッドを設定できる理由とは
正しく取引された金額をすべてインターバンク市場へ流しているのならば、日本のFX会社は現在のようなスプレッドを設定することはできません。その理由は、FX会社がインターバンク市場で取引をする際のスプレッドと比べて、ユーザーがFX会社で取引をする際のスプレッドのほうが狭いためです。そうすると、ユーザーの取引量が増えれば増える分だけFX会社は損をするという仕組みになってしまいます。
FX会社もボランティア団体ではないので、もちろん営利目的で運営しています。それでは、日本国内のFX会社がなぜ「狭いスプレッドで運営をしながらも利益を出すことができるのか?」という本質について紹介していきましょう。
これは10年以上も前から噂になっていたことですが、日本のFX会社はユーザーから集めた資金をすべてインターバンク市場へ流しているのではなく、顧客同士の注文をFX業者内で相殺しています。
簡単に言えば、100万通貨の買い注文と150万通貨の売り注文があった場合に、海外のFX業者はすべての注文をインターバンク市場へ流しています。しかし、日本国内のFX会社は買い注文と売り注文を相殺して50万通貨の売り注文分だけをインターバンク市場へ流しています。
そうすることで、買い注文分と売り注文分の双方から200万通貨分のスプレッドを受け取ることができます。これは憶測とかデマなどではなく、金融庁が過去に行った「外国為替証拠金取引業者に対する一斉調査」のデータに記載されている内容なので恐らく間違いないでしょう。
もう1点、こちらは推測や噂となってしまいますが、日本国内のFX会社はユーザーからの注文を受けても自社で注文を受けるような行為をしているという噂もあります。これはつまり、ユーザーからの買い注文があったとしても、売買の相殺をしないでFX会社が相場の変動について請け負うというものです。
こうすることでどのようなことが起きるのかというと、「ユーザーの取引がプラスだった場合はFX会社のマイナスとなり、マイナスだった場合はFX会社が丸儲けになる」ということが起きます。こちらの部分に関しては憶測の部分が大きく、事実はどのようになっているのかわからないために、気にしなくても良いかもしれません。
1つだけ重要なのは、誠実ではないFX会社を利用していると、どのような不利益を被るか分からないので、FX取引をする場合は利用するFX会社を厳選するのが大切だということです。
■まとめ
日本のFX会社がなぜ狭いスプレッドで運営できるのかを紹介しました。
狭いスプレッドで運営をしているというのはユーザー視点で考えると悪いことばかりではないように思えます。確かに初心者や中級者からすると、スプレッドが狭いということはその分だけ利益を出しやすいということに繋がるので、短期的な視点で考えるとプラスが大きいかもしれません。
しかし、何かしらの危ない橋を渡っているFX会社を利用していると、どのような不利益を被るのか分からないので、長期的な視点で考えるとデメリットのほうが大きくなるでしょう。これからFX取引を始めようと考えている人がいたら、くれぐれもFX会社の厳選に気を配ってください。