連日報道される円安。徐々にわたしたちの生活にも影響が出始め、スーパーで食品を買うたびに円安を実感する機会も増えてきました。特に負担が大きいのは、消費支出に対して食費の割合が高い=エンゲル係数が高い地域かもしれません。見ていきましょう。
円安で食品値上げ…エンゲル係数全国1位の「大阪府民」スーパーで肩を落とす (※写真はイメージです/PIXTA)

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円安が止まらない!食品の値上げも止まらない!

円安が止まりません。11月18日現在、1ドル=114.18 円。115円超えも間近では、というのが大方の見方です。この円安、「悪い円安」と表現されることが多いようです。外国製品の輸入価格高騰と円安が重なり、消費の悪化を招くというものです。

 

確かに、外国産の牛肉が驚くほど安く、「今日は、ステーキだよ」とはしゃいでいたのは遠い昔の話のよう。スーパーでラベルをみるたびに「はぁ」とため息をつき、そっと商品を戻すという動作も板についてきました。

 

日本の食料自給率は37%。約6割は輸入品に頼っていることになります。よくいわれるこの自給率はカロリーベース。人間が動くために必要なエネルギーの6割ほどは海外に頼っている、というわけです。

 

また生産額ベースの食料自給率は67%。これは食料の経済的価値に着目し、わたしたちに供給される食料の生産額(食料の国内消費仕向額)に対する国内生産の割合を示す指標。国内消費仕向額は、1年間に国内で消費に回された食料の量を表すもので、[国内生産+輸入-輸出±在庫増減]で計算されます。つまり量としては6割ほど海外に頼っていますが、金額ベースでは3割ほど海外に頼っている、ということになります。

都道府県別にみる「食費」が最も高い地域はどこ?

食費の3割は海外に頼っているわけですから、円安の影響は家計に大きな打撃です。それであれば国内産を買えばいいのでは、と思いがちですが、日本は飼料の多くを海外産に頼っています。そのため円安の影響は輸入品だけにとどまらず、国内産の食品にも及ぶのです。

 

総務省『家計調査家計収支編』2020年によると、日本の平均的な食費は1ヵ月7万6,440円、1年にすると91万7,280円。消費支出に対する食費(本記事では食品に対する支出で、外食は含めない)の割合であるエンゲル係数は、平均27.5%です。支出に対して1/4強が食費なわけですから、やはり円安には戦々恐々でしょう。

 

都道府県別にみていくと、最も食費が高いのは「東京都」で年間115万4,526円。続いて「神奈川県」で105万3,049円。「埼玉県」「千葉県」「滋賀県」と続きます(関連記事:『都道府県「食費/エンゲル係数」ランキング…食費1位は「東京」、エンゲル係数1位は「大阪」』)。