空売りにかかる手数料は高いものです。しかし株式会社の仕組みを考えれば当然のことだといえます。投資のプロが語る、納得の理由をみていきましょう。
今さら聞けない「株式の空売り」の仕組み。答えられますか?【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

「空売りの高い手数料」には十分注意が必要

現物買いに比べて空売りには、貸し株料、管理料、逆日歩などの余分な手数料がかかります。それらは名目上「手数料」ではないかもしれませんが、証券会社がその運営のために徴収する料金であるため、実質的には手数料といってもよいはずです。

 

端的に言えば、空売りとは本来の投資とは少し違う「ゲーム」なのかもしれません。そして、そんな特殊なゲームの場を整えるために、証券会社も余分な手間をかけ、それ相応の手数料を設定します。これが空売りの手数料が高い根本的な理由だといえるのではないでしょうか。

 

もちろん、ゲームと例えましたが、空売りにも現物買い同様の知識や能力が求められますし、それによってちゃんと利益を出す投資家もいます。

 

しかし空売りをする場合は、その行為の本質と、「手数料が高い」ことを肝に銘じておかなければなりません。そして、その手数料を考慮したうえでの利益を出す必要があることも、忘れてはいけません。

 

有名なウォーレン・バフェットも、「リスクとは自分が何をやっているかよくわからない時に起こるものです」と述べています。株式会社の仕組みと、それを考えた場合に空売りが不自然な取引であること、そしてそのために高い手数料が必要であることを理解したうえで、空売りをすることをおすすめします。

 

まとめ:空売りは不自然な取引であるがゆえ、高い手数料が必要

「株式投資をする」とは、「その会社の好業績に賭け、利益の分け前をもらう」行為だといえます。ところが空売りは、その会社の業績や評判が悪化することに賭ける取引であり、それは投資としては不自然で、ある種のゲームだともいえます。

 

そして、そんな空売りの場を得る対価として、投資家は高い手数料を支払わなければなりません。空売りをする際は、それらすべてを理解してから行うのがおすすめです。

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓

 

 

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