(※写真はイメージです/PIXTA)

赤ちゃんの頭のかたちが歪んでしまうのは、胎内・出生後の向き癖が主原因といわれています。どのような影響が出るのでしょうか。高座渋谷つばさクリニックの武井智昭先生が赤ちゃんの頭のかたちが歪んでしまうことで生じる問題と対策や治療方法について解説します。

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あまり気にされてこなかった赤ちゃんの頭のかたちの歪み

生まれてきた赤ちゃんの頭蓋骨の構造は、脳の容積が増加することや保育環境での圧力によって大きくなります。そして、頭の正中部にある縫合線は1歳6カ月程度で癒合します。

 

これまで、諸外国でも日本でも、赤ちゃんの頭の変形(左右が非対称である。後頭部の絶壁や角度など)は、こうした頭囲の拡大・成長により自然に治るとされており、あまり気にされていませんでした。

 

赤ちゃんを「うつぶせ寝」で寝かせると、窒息などによる乳幼児突然死症候群のリスクであるとされ、1992年よりあおむけ寝が推奨されました。

 

この結果として、胎内や出生後の癖などの外部圧力の要因により頭蓋変形の乳幼児の報告が増加しましたが、諸外国では、2000年ごろからヘルメットによる頭蓋形状矯正治療(以下:ヘルメット治療)の開発普及により、その有効性が報告されてきました。

 

しかし、日本では適切な矯正装具はなく、「ドーナツ枕」などの市販品やタオルなどを利用した工夫により、なんとか後頭部を中心とした歪みを矯正しようと努力してきましたが、自然に治る例が少なかったです。こうした経緯から、近年では乳児早期における頭蓋変形に対してのヘルメット治療が注目されています。

頭蓋変形について

赤ちゃんの頭のかたち、歪みには、前述のように胎内・出生後の向き癖が主原因です。大別すると、最も多い「斜頭症」と後頭部が平坦となる「絶壁」はあおむけ寝、「長頭症」はよこむき寝にわけられます。

 

これ以外には、早期に外科手術を要する頭蓋縫合早期癒合症(クルーゾン病など)が頻度は低いですが、鑑別が必要とされています。小頭症であれば全身の疾患の検索を要する場合もあります。

頭蓋変形の重症度

後頭部の圧迫により、後頭部が平坦となってきます。その後、左右の耳の位置の前方への偏位、前頭部の突出による顔面の非対称、峡部の突出による側頭部・頭頂部の突出の順で頭蓋の変形がみられ、外観によりgradeを判定します。

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『こどもKARADAs』から転載したものです。