「幅広い層での給与アップ」「格差是正」の実現に向けて期待感が高まる一方で、すでに「結局、何も変わらない」と政治への不信感が広がっています。しかし「日本なんて、まだまし」という声も。そこで世界の「政治の清潔度」を見ていきましょう。
政治清潔度世界ランキング…韓国・中国よりはるか上位の日本だが、なぜか広がる「あきらめ感」 (※写真はイメージです/PIXTA)

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結局、何も変わらない…広がる政治へのあきらめ感

衆議院選挙は自民党が絶対安定多数を確保し、岸田首相がかねてから公言していた「幅広い層での給与アップ」「格差是正」などが実現に向けて動き出すと期待感が高まっています。

 

一方で「結局、政治では何も変わらない」というあきらめから、どこか冷めた目で政局を見ている人も多くいることでしょう。

 

厚生労働省『賃金構造基本統計調査』によると、バブル崩壊直前の1990年、会社員の基本給は平均25万4,700円。その後、バブル崩壊、不良債権問題と、日本経済は苦境に立たされる中でも、基本給はわずかながらも前年比プラスを記録していきますが、2002年に前年比1.0%減とマイナスを記録すると、リーマンショックという世界的不況もあり、前年比マイナスを連発。その後、アベノミクスの効果で前年比プラスが続きましたが、消費税増税や社会保険料の増加などで負担も増加。この30年、人々の暮らしは一向に良くならないことから、政治に対しての期待感は薄れていきました(関連記事: 『【図表でみる】30年(1990年~2019年)日本人の基本給の推移』 )。

 

さらに、たびたびニュースとなる政治とお金に関する事件や不祥事も、政治への不信感を招いています。今年に入ってからのニュースを振り返ってみても、「吉川貴盛元農水相への贈賄罪」「総務省接待問題」「公職選挙法違反で河井元法相が議員辞職」「公職選挙法違反で前経済産業相の菅原一秀氏が議員辞職」「IR汚職事件で秋元議員に実刑判決」……色々と報道されるからなのか、それとも呆れてしまっているからなのか、報道されているほど、人々の関心は高くないように思えます。

 

このような状況からか、国会議員が手にする給与に対しては、厳しい意見が聞かれます。

 

――たいした働きもしないのに高給の議員が多すぎ

――議員はそんなにいらない、減らすべき

 

国会議員の給与(歳費)は法律によって決められており、「議長」は月額217万円、「副議長」は月額158万4,000円、「議員」は月額129万4,000円。さらにボーナスにあたる「期末手当」が年2回支払われ、年収はおおよそ2,000万円程度に。さらにそのほか「文書通信交通滞在費(公的文書の発送費や電話代、交通費)」が月額100万円、立法に関する調査研究活動のための「立法事務費」が月額65万円支給。さらに運賃が無料となるJR特殊乗車券なども交付され、これらも加味すると年額4,000万円程度になるといわれています。