(※写真はイメージです/PIXTA)

重大な合併症につながることのある糖尿病。症状を抑えるためには、早期治療・早期発見が重要です。めじろ内科クリニックの久野伸夫先生が「糖尿病」の症状や治療法について解説します。

糖尿病ってどんな病気

糖尿病の90%は家系による遺伝性の2型糖尿病です。食べ過ぎ、太り過ぎ、お酒の飲み過ぎが引き金となって糖尿病遺伝子が起動し、膵臓でのインスリンを生み出す量が減少し、発病します。また、成人前や20代でも、自身の免疫異常のため膵臓でインスリンが全く作られなくなる1型糖尿病が急激に発病する場合もあるため、油断してはいけません。

 

血糖値が高いと何が困るかですが、放っておくと高血圧、高コレステロール血症、喫煙と同様に動脈硬化を進めてしまいます。脳梗塞や心筋梗塞等の原因となる太い血管の障害だけでなく、細い血管も障害され糖尿病三大合併症といわれる、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を数年~十数年かけて引き起こすのです。

糖尿病三大合併症とは

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、眼底の血管がもろくなり出血し、網膜剥離を起こして失明に至ってしまう病気です。

 

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症は、腎臓の血液ろ過のフィルターを担う血管が障害を受け、体に必要な蛋白質が漏れ出したり、老廃物を排泄できなくなり、最終的には透析に至ってしまう病気です。

 

糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害は、高血糖のため神経細胞自体が障害を受けるとともに、神経に栄養を送る血管の血流が悪くなり感覚異常を引き起こす病気です。

 

特に、足では、感覚異常の上に動脈硬化での血行不良が加わり、治りも悪く傷ができても痛みがわかりません。そのため放置され易く壊疽(腐ること)を起こすこともあります。そうなると足の指や足を切断しなければならなくなります。

糖尿病の診断は

血液検査で空腹時血糖値と随時血糖値、そしてHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の数値から診断することが可能です。空腹時血糖値で126mg/dl以上、随時血糖値で200mg/dl以上のどちらか一方が認められ、日を変えて再度どちらかの異常が確認できれば糖尿病と診断されます。

 

空腹時血糖値か随時血糖値が上記の数値以上で、そのときに同時に測定したHbA1cの数値が6.5%以上でも診断できます。健康診断や人間ドックでは空腹時血糖値とHbA1cを同時に測っていることが多く、気になる方は最近の結果を確認してみてください。

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。