洗練されたビジネス英語メールを書くためには、異文化理解が必須といえます。ここでは、「異文化としてのEメール」について、ビジネス英語研修会社Q-Leap代表取締役社長・浅場眞紀子氏が解説していきます。 
「英語はストレートな表現を好む」と言われるが…“真実ではない”ワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「必ずしもストレートな言語ではない」と言えるワケ

英語には日本語の丁寧語、尊敬語、謙譲語にあたるものはありませんが、①をより丁寧に言おうとして、助動詞により丁寧なものを選んだり、定型の丁寧表現を入れたりすることは頻繁におこなわれます。

 

Could you let me know how much time this requires and your idea regarding fair compensation for my time?

 

「この仕事にどのくらいの時間がかかるのかと、私への適正な報酬額に対してのあなたのお考えをお知らせいただけますか。

 

さらに丁寧にしたければ、

 

I would appreciate it if you could let me know how much time this requires and your idea regarding fair compensation for my time?

 

「この仕事にどのくらいの時間がかかるのかと、私への適正な報酬額に対してのあなたのお考えをお知らせいただけると幸いです。

 

英語でのコミュニケーションは簡単にまとめると以下のようになるでしょう。

 

「言葉の意味を曖昧にしないのでその点では直接的である」

 

しかし、「必要であれば助動詞や定型表現を加えることで間接的(丁寧)な言い回しを状況や相手との関係に合わせて使い分けることを頻繁にするので間接的とも言える」

 

世界には英語話者の人たちよりもずっと「直接的な物言い」を好む人たちがたくさんいます。また意外な国が間接的表現を好んだりもします。相手の言葉の使い方の習慣を理解してコミュニケーションをすることで、不要な誤解を避けることができるでしょう。

 

音読・タイピング練習用音声付き!ビジネスパーソンの幅広いニーズに対応
 

 

これに関してはエリン・メイヤーの「異文化理解力 相手と自分の真意が分かるビジネスパーソン必須の教養」(英治出版)というベストセラーとなった大変興味深い本があります。国際コミュニケーションにおけるたくさんのヒントが詰まったこちら、一読をおすすめします。

 

これからの皆さんのビジネスの益々のご発展を祈って連載を終わりにいたします。

 

 

浅場 眞紀子

ビジネス英語研修会社Q-Leap 代表取締役社長