(※写真はイメージです/PIXTA)

「起立性調節障害」という病気をご存じでしょうか。小学校高学年から中学校、高校の思春期の子どもに多くみられ、立ちくらみやめまいなどを起こしやすく、朝起きるのがつらくなって、不登校の原因にもなります。自分の意思ではどうにもならない病気のため、保護者がこの病気への理解を深め、適切な治療や生活習慣の改善に取り組んでいくことが必要だといいます。

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「怠け癖」と誤解される「起立性調整障害」

「起立性調節障害」という疾患をお聞きになったことはありますでしょうか?

 

概要としては、思春期のお子さんが、朝、起こしているにもかかわらず起きられない、朝食をとれず学校へ行けない、立ちくらみや頭痛が持続する、倦怠感が強いという自律神経失調症に似ていて、見方を変えると「怠けている」と誤認されてしまうケースもあります。

 

この疾患は、体の運動機能、気分、知覚などを含めた自律神経のスイッチが、朝にうまく切り替わらない、自律神経機能不全の1つ(体質的なもの)と考えられています。

 

好発年齢は小学校高学年から中学生・高校生で、女子の方が男子よりも発症頻度は高いです。

 

これまでは、本疾患は無治療であっても身体的・社会的にはおおむね予後は良いとされていましたが、近年の報告では、重症例では自律神経による循環調節障害(とくに脳や上半身への持続的な血流低下)によって、成人後でも日常生活が著しく損なわれることが示唆されました。

 

同時に、無治療の場合では、長期の不登校からひきこもりを起こし、学校生活・社会復帰に関しては大きく支障が生じることも判明しています。

 

このため、本疾患の早期発見と早期治療・家庭生活や学校生活での環境調整による配慮を行うことにより、症状の悪化を予防できる可能性が示唆されました。

 

近年の傾向としては、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、外出自粛と運動不足により起立性調節障害の発見が遅れ、症状の悪化が懸念されています。

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『こどもKARADAs』から転載したものです。