スキャルピングで偶然の重みもわかる
株式投資というのは面白いもので、単なる偶然で勝つこともあります。数少ない大きな幸運により大儲けする人もいるでしょうし、株式投資の本を書いている人の中にも、実は単なる偶然でお金持ちになった、という人もいることでしょう。
長期的に見ると基本的に、業績の良い会社の株価は高くなります。一方で、そういう会社であっても短期的に見ると、株価は偶然としか言いようのない上下をします。それは期間が短ければ短いほど顕著で、つまり取引期間が短期であればあるほど、株価の変動は偶然に左右されやすいといえるのです。
そして超短期取引であるスキャルピングでは、そんな偶然の重みも、身をもって感じることができます。なぜか勝った、なぜか負けた、ということが頻繁に起こり得ることでしょう。
しかし、「偶然」を理解することは、株式投資にはとても大切です。
運が良い場合と運が悪い場合の時のことを考えて、平均するとプラスになり、運が悪くても破滅しない投資をすることが、市場から退場しないためには重要だからです。そして、勝敗が偶然に左右されやすいスキャルピングをしてみることにより、その「偶然」というものを体感することができるのではないでしょうか。
まとめ:スキャルピングから身をもって学べることがある
繰り返し薄い利益を蓄積していく様子が、scalp(「頭皮を剝ぐ」という意味)によって薄い皮を何枚も剥いでいく様子に例えられたのが、スキャルピングの語源のようです。
スキャルピングはローリスク・ローリターンの手法です。そして実践することで、手数料と税金、そして偶然というのものの重みを知ることができます。投資家にとってスキャルピングをすることには、そのような意味があるのではないでしょうか。
株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓