最近、よく耳にする「FIRE」。早期リタイアの一種と思われがちですが、実は似て非なるもの。しかも、その考え方を応用すれば「安心した老後を実現できる」と聞けば、俄然、興味が湧いてくるのではないでしょうか。
49歳の既婚会社員「FIRE実現に9,000万円」…諦めるしかないのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

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FIREとは?早期リタイアとの違いは?

 

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略。「経済的自立と早期リタイア」を意味します。欧米からはじまったムーブメントで、2010年以降、ミレニアム世代を中心に人気が高まっています。

 

・Financial=財政上の

・Independence=独立

・Retire=退職

・Early=早期

 

さまざまなシーンで耳にする機会が増えたFIREですが、早期リタイアとは何が違うのか、よく分からないという人も多いでしょう。

 

FIREも早期リタイアも、定年前に定職から解放される点では同じです。早期リタイアは、リタイア後は仕事をせず貯蓄などで生活していくことを前提にしていますが、FIREは投資などによる不労所得で生活費を確保し、貯蓄を切り崩すことなくリタイアを実現するスタイルです。

 

実際にFIREを実現させるためには、どれくらいの資産があればいいのか。それには「4%ルール」という共通のセオリーがあります。これは、以下のような考え方に基づくもの。

 

「年間生活費の25倍の資産を確保し、投資などで年利4%の運用益をあげれば生活費をまかなえる」

 

4%という数字は、米国の株式市場に基づくもの。この利回りで運用を続けていけば、インフレを考慮しても資産は目減りしないと考えたものです。また4%の利回りには税金について考慮されていないので、実際は4%以上を目指すことになります。

年間生活費の25倍の資産…その額は?

 

そもそも「年間生活費の25倍の資産」とは、どれくらいなのでしょうか。総務省『家計調査家計収支編2020年』によると、2人以上勤労世帯(世帯平均人員3.31人、世帯主平均年齢49.8歳)の消費支出は30万5,811円。単純計算で、年間366万9,732円、25年で9,174万3,300円となります。

 

一方で単身者ではどうでしょうか。同調査の勤労単身世帯(平均年齢42.9歳)の消費支出は16万8,965円。単純計算202万7,580円、25年で5,068万9,500円となります。ぐっとFIREへの道が開けてきました。