(※写真はイメージです/PIXTA)

胸が痛い、息切れがする、呼吸が苦しい、そんな症状があったときどうしますか? 激痛や苦しさが続いたら誰でもすぐ救急車を呼ぶと思いますが、軽い症状だったり、少し休むとよくなる症状だったりすると、病院にすぐ行くべきかどうか、迷ってしまうと思います。本記事では、しながわ内科・循環器クリニックの品川弥人先生が、狭心症と心不全を早期発見するためのポイントをわかりやすく説明します。

心不全を疑うサイン

心不全というとどんなイメージをお持ちでしょうか?

 

一般的に「心臓発作? 突然心臓が止まってしまうこと?」と間違ったイメージを持っている方も少なくありません。

 

心不全とは心臓のポンプとしての力が弱くなり、症状として息切れや浮腫が出現する全身性の病気です。いきなり心臓が止まったりするものではありません。心不全は一度発症するとしっかりと治療をしないと病状は進行し、5年生存率は約50%で、がんとほぼ同等といわれています。

 

心不全の症状で最初に起こりやすいのは息切れです。

 

体を動かしたとき、例えば階段をのぼったり、早歩きをしたりしたときに今までよりも息切れが強く、休まないと長く歩けなくなった、などの症状に注意が必要になります。そして、息切れの症状が進行すると、横になって寝ているときに苦しくなり、起きあがって座っているとよくなるといった症状が表れます。これも心不全を強く疑う症状です。

 

もう一つ特徴的な症状として、靴をはいたりするときに前かがみになる姿勢をとると息が苦しくなることがあげられます。そしてさらに症状が進行すると、身の回りのことをする軽い動作でも呼吸が苦しくなります。

 

次にむくみ(浮腫)です。あしの浮腫は自分で確認しやすい症状です。下腿のすねの骨の部分を押して、へこみが残るようなら浮腫があると判断できます。ただし足の浮腫は心不全以外でもよくある症状ですので、病院で診察と検査を受けてしっかり診断してもらうことが必要です。

 

心不全の診断に必要な検査は、胸部のレントゲン、採血、心電図、心エコーなどです。レントゲンでは心臓が大きくなっていたり、肺に水がたまっていたりするとそれだけでも心不全の診断がつきます。

 

また、採血でのBNPやNT‐proBNPという項目のチェックも有用です。これは心臓の負担、すなわち心不全の程度を表すホルモンです。

 

息切れや浮腫が心不全によるものかどうか心配なときには、ぜひチェックしてもらうことをお勧めいたします。心電図では心不全の原因となる病気を診断するために必要になります。

狭心症と心不全になりやすい人の特徴

さあ、心臓で注意すべき二つの病気、狭心症と心不全について説明しましたが、どんな人がこのような病気を発症する可能性が高いのでしょうか?

 

ハイリスクとなるのは、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などの生活習慣病を持っている人、加齢、喫煙者、心血管病の家族歴が多い人です。

 

どちらの病気も予防と早期発見で大事に至ることを防げるものです。このような症状がある方、健康診断で要受診、要精査となった方は放置しないで病院を受診するようにしましょう。

 

 

品川 弥人

院長

しながわ内科・循環器クリニック

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。