世界的にも日本の若者は「政治や選挙」に無関心
日本では特に若い世代の投票率の下落が問題になっています。前回、第48回衆議院選挙の20代の投票率はわずか33.85%。ちなみにこのとき、全体の投票率は53.68%でした(関連記事:『低い投票率はいつから?年齢別「衆議院選投票率」の推移』)。
日本の若者が世界と比べても無関心なのは、内閣府『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)』を見ても明らか。
同調査では日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの7ヵ国の若者の意識を比較していますが、「政治に対する関心度」を尋ねる問いで「関心がある」と答えた割合はドイツが70.6%、、アメリカが64.9%、イギリスが58.9%、フランスが57.5%、スウェーデンが57.1%、韓国が53.9%、そして日本が43.5%。
「将来の国や地域の担い手として積極的に政策決定に参加したいか」の問いに対して「そう思う」と回答したのは、アメリカが69.6、イギリスが61.6%、韓国が60.0%、フランスが56.5%、ドイツが54.5%、スウェーデンが47.0%、そして日本が33.3%。
「私の参加により、変えてほしい社会現象が少し変えられるかもしれない」の問いに対して「そう思う」の割合は、アメリカが63.1、イギリスが54.9%、ドイツが51.1%、フランスが50.6%、韓国が47.3%、スウェーデンが46.9%、そして日本が32.5%。
この調査結果は、日本の若者が諸外国と比べて、政治、そして選挙にどれほど無関心かを表しています。
なぜ、ここまで政治に、選挙に無関心なのか。理由も、同調査で垣間見ることができます。「自国で誇れるものは」の問いに「将来発展していく可能性があること」を選んだのは、スウェーデン31.4%、アメリカ24.1%、ドイツ、18.1%、イギリス16.7%、韓国14.3%、フランス8.9%、そして日本7.3%。
――国の将来に期待できない
日本の若者は諦めムードです。
彼らが生まれた90年代から日本は低成長。会社員の平均給与は、2020年、433万円ですが、これは90年代前半と同水準。「給与が上がらない」と嘆く大人たちを見てきた若者は、どうすれば将来に夢や希望をもてるでしょうか(関連記事:『会社員の「平均給与」2年連続減…4割が「年収300万円以下」の衝撃』)。
――選挙で投票したって何も変わらない
――政治に期待したって社会は良くならない
これが若者たちのスタンダードになっているのです。
選挙戦ではどこの政党も「所得増」を訴えています。結果がどうであれ、公約はぜひ実現していただき、若者たちに“格好いい大人”を見せつけていきたいものです。