30年間、会社員の給与は上がらず…政治に期待したいところだが
若年層の投票率が問題になりがちですが、前回選挙で、最も投票率が高かった60代でも72.04%。約3割は投票していないという状況です。
――そもそも選挙に行かないなんて言語道断
――選挙に行かず、それで政治批判をするのはおかしい
いろいろな考え方があるでしょう。
それにしても、なぜ日本の選挙の投票率はこれほどまでに低いのでしょうか。さまざまな意見があるでしょうが、「政治への諦め」が低投票率を招いているのではないでしょうか。
たとえば、会社員の平均給与。バブル崩壊前の1990年、会社員の平均給与は425万2,000円。戦後、ずっと増え続けてきた会社員の平均給与が、はじめて減少に転じたのは、バブル崩壊後の1993年。その後、不良債権問題、ITバブル崩壊、リーマンショックに見舞われ、平均給与は2009年、400万円を切る寸前まで落ち込みました。
その後、アベノミクスやインバウンド需要の増加などもあり、2013年から2018年は前年比プラスを記録するものの、2020年、会社員の平均給与は433万円と、30年前と同じ水準。その間、いくども選挙が行われ、政治に希望を託しましたが、状況が好転することはありませんでした(関連記事:『会社員の「平均給与」2年連続減…4割が「年収300万円以下」の衝撃』)。
――選挙に行っても、政治は変わらないでしょ
――投票しても、生活が楽になるわけじゃないし
そのように、諦めムードから、有権者は選挙から遠ざかっているのではないでしょうか。
今回の選挙は、コロナ禍以降の私たちの暮らしを左右するもの、といわれていますが、政治への期待を取り戻せるかどうかも占うものになっています。