夢のマイホームを購入するにしろ、不動産投資で物件を探しているにしろ、どこの街を選択するかによって結果は大きく異なり、慎重に見極めることが重要です。その街は買い時か、それとも……。今回取り上げるのは千葉県「船橋」。
千葉県で住みたい街No.1…「船橋」の不動産は買い時か? (※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍でも地価上昇…繁華街隣接でもリーズナブルな価格は魅力

千葉県下でも東京都の結びつきが強く、都心に通勤する会社員層に選ばれる街、「船橋」ですが、2021年、船橋市の地価公示価格平均値は68万2149円。コロナ禍で全国的に地価は下落基調にあるなか、千葉県では前年比0.28%の上昇を記録していますが、船橋市では0.36%の上昇を記録。若干ではありますが、千葉県の平均を上回りました。

 

また7月に行われた地価調査で、市内で最も地価が高かったのは「船橋市本町4丁目1241番7」。「京成船橋」駅の南側の繁華街で、平米単価は135万円。続くのが「船橋市本町4丁目1241番7」でJR「津田沼」駅の北側の繁華街で、平米単価は98万円。「船橋vs.津田沼」とライバル関係にされがちな2つの街ですが、地価においては「船橋」駅周辺が頭一つ抜けています。

 

用途地域を住宅地に絞ると、最も地価が高いのは「船橋市本町4丁目」。「船橋」駅南口から仲町商店街を抜けて7分の一般住宅やアパート等も混在する住宅地域で、平米単価は30万8,000円。 そのあと「東船橋」や「西船橋」、「津田沼」など駅から徒歩圏内の住宅地がランクイン。「船橋」駅周辺では、7位に「船橋市市場1丁目」。「船橋」駅北口から東に歩くこと10分ほど、一般住宅が並ぶ住宅地で、平米単価は22万5,000円。

 

千葉県下でも賑わいを見せる「船橋」駅周辺ですが、駅徒歩圏内、繁華街を生活圏内にできる環境でも比較的地価はリーズナブルな印象です。

単身者か、ファミリー層か…「船橋」での投資戦略

「船橋」駅徒歩10分圏内の物件の家賃相場を見ていくと、1Kで6万2,200円、2LDKで11万4,000万円、3LDKで14万1,700万円(公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会、10月19日現在)。徒歩11分以上の賃貸物件では1Kで5万3,800円、2LDKで7万1,100円、3LDKで9万6,500円。交通利便性から、駅周辺では単身者向け物件が豊富です。一方でファミリー層からの支持が厚いエリアだけに、ファミリー物件を視野に入れるのもひとつのアイデアです。

 

また「船橋」駅周辺を黄色~橙で10%以上、緑~黄緑0~10%の人口増加率を表し、青系色で人口減少を示すメッシュ分析で見てみると(図表)、駅南側では人口減少を示す青系色が目立ちますが、駅北側では安定的な人口増加が見込めそうです。

 

出所:国土交通省『メッシュ別将来人口推計』(平成30年推計)より
[図表]2015年~2040年「船橋」駅周辺の人口増減率 出所:国土交通省『メッシュ別将来人口推計』(平成30年推計)より

 

生活利便性も交通利便性も申し分なく、全国的に地価が下落基調のなか、顕著に推移している「船橋」。マイホーム購入の視点でも、投資の視点でも、明るい要素の多い街だといえるでしょう。