ドル高・円安はどこまで進むのかがFXトレーダーの大きな関心ごとになっていますが、FXトレードにおいては「ポジションを長期間保有しない」というのがひとつのリスク管理となっています。これは、長期的にポジションを持つことによって相場が大きく変動してしまう機会が大きくなり、多大な損失につながる可能性が高くなるからです。しかしFXでは短期的にポジションを保有していても大きく相場が動く時間帯というものが存在します。見ていきましょう。
「9時」「16時半」「22時半」は大損に注意!プロFXトレーダーが教えるリスク管理 ※画像はイメージです/PIXTA

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相場が活発に動く時間帯に行動するのはリスクが大きい

FXの取引は24時間いつでもできるといっても過言ではありません。世界中のどこかの市場がオープンされているため、その市場で取引ができるからです。

 

24時間いつでも取引が行われているといっても、為替市場が大きく動きやすいのは下記の3つの市場がオープンの時間帯です。

 

・ 東京市場(9:00~15:00)
・ ニューヨーク市場(22:30~5:00)
・ ロンドン市場(16:30~0:30)

※ニューヨーク市場とロンドン市場の時間帯はサマータイムでの日本時間表記

 

この3つの市場は「世界三大為替市場」や「世界三大証券取引所」と呼ばれることもありますが、簡単にいえば世界で最も活発に取引が行われている3つの市場ということです。

 

相場が大きく動くのは市場がオープンした瞬間

相場が活発に動く時間帯というのは、「影響力の大きい市場がオープンした時間帯」となります。

 

具体的にいえば、世界三大為替市場がそれぞれオープンした時間帯となるので、日本時間で表記するところの「9時、16時30分、22時30分」あたりが相場の動きやすい時間帯です。

 

もちろん、こちらの3つの時間帯以外にも突発的に相場が動くことはありますが、この3つの時間帯は各国の経済指標の発表や経済の状況とは関係なく動きやすい時間帯なので、ポジションを持っていると大きくマイナスになるリスクが大きいです。

 

そのため、リスク管理という点ではポジションを保有する際の目安として、この時間帯は避けるようにしたほうが良いでしょう。

場が活発に動く要素とは?

FXの相場が活発に動く要因というのは主に3つのポイントがあります。

 

・ 経済的な要因

・ 政治的な要因

・ 自然的な要因

 

他にも細かいものは色々とありますが、大きく分けるとこの3つが挙げられます。それでは、それぞれの要因についてもう少し詳しく紹介していきましょう。

 

その国の景気によって左右される「経済的要因」

経済的要因というのは、株価や景気、貿易黒字や海外からの投資の増加などが挙げられます。また、経済的要因は毎日のように変動しているのが特徴的で、短期トレードをする際にもチェックするポイントとなります。

 

この際に注意しなければならないポイントとしては、「自分が感じている状態と国の状態は異なる」ということです。

 

たとえば、昨今の問題としては新型コロナウイルスによる問題が挙げられます。日本国内では倒産や廃業などで仕事が無くなってしまった人が急増しているために、一般人の視点で物事を見るとものすごく不景気なように見えます。

 

しかし、日本の景気を表す数値の一つでもある「日経平均株価」を見てみると新型コロナウイルスが流行する前よりも上がっていることが挙げられます。これは海外から見ると「景気が良くなっている」と判断されるために、一般人視点では不景気のように見えても国としては好景気となっている事例の一つです。

 

このように、景気や経済状況などを判断する際には身近なもので判断するのではなく、もっと大きく広い視点で捉えることが大切になります。

 

金融政策や要人の発言で相場が動く政治的要因

政治的要因というのは、その国の指針が発表された場合や、その国の要人の発言によって相場が動くことを指します。よくあるケースとしては、政策金利の引き上げや引き下げ、戦争やテロなどが発生すると相場に大きな影響を与えるとされています。

 

また、自国の通貨の価値が上がりすぎたまたは下がりすぎたために政府が通貨の売買を行って相場の調整を行うこともあります。

 

政治的要因がポイントとなって相場が変動する際には経済的要因と比較すると動きが大きくなることが特徴的で、経済の仕組みをキチンと理解していないと大きなマイナスとなってしまうことが多いです。そのため、経済指標の発表や要人が対外的に大きな発言をした際には相場をチェックするようにしたほうが良いでしょう。

 

自然災害によって相場が動く

大きな自然災害が起きた国は経済や政治の停滞を招くことが予想されるために、その国の通貨は価値が低くなる傾向にあります。

 

日本での例を表すと、2011年に起こった東日本大震災が挙げられますが、この頃は2008年に起こったリーマンショックの影響もあり、それほど大きな影響にはなりませんでした。最近では、中国で原発事故があったと公表されたことによって世界的な経済に大きな影響を与えていますが、新型コロナウイルスの問題もあり、どのように相場が変動するのか予測できないのが特徴的です。

 

このように、自然災害に関しては予測することができないために、もしも災害が起きたときには相場が大きく動くということを忘れないでください。