先月末、国税庁が発表した『民間給与実態統計調査』の最新結果。2年連続で会社員の平均給与は減少し波紋を広げていますが、さらに細かくみていくと、「給与格差」やさらに厳しくなるだろう会社員の未来が見えてきました。
30年間、給与が上がらない日本…「正社員でも負け組」という絶望感 (※写真はイメージです/PIXTA)

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会社員の平均給与…基本給は変わらずも賞与は大幅減

国税庁では毎年、民間事業の給与の実態を明らかにする『民間給与実態統計調査』を行っていますが、先月末、2020年度の結果が発表されました。

 

昭和24年、1949年から始まった『民間給与実態統計調査』は、12月31日時点の源泉徴収義務者(民間事業所に限る)に勤務している給与所得者を対象とした調査です。

 

最新調査の結果を見ていくと、1年を通じて勤務した給与所得者(平均年齢46.8歳、男性46.8歳、女性46.7歳)の平均給与は433万円。前年436万4,000円から0.8%の減少となりました。平均給与の減少は2年連続でしたが、減少幅は前年1.0%減少から幾分回復しています。

 

男女別に見ると、男性は532万円で前年から1.4%の減少、女性は293 万円で前年から1.0%の減少。2019年、男性は減少、女性は増加を記録していましたが、2020年は男女ともに前年比マイナスを記録しています。

 

平均給与の内訳を見ていくと、平均給料(=基本給)は368万5,000円(男性449万4,000円、女性253万8,000円)で、平均賞与は64万6,000円(男性82万8,000円、女性38万8,000円)。基本給は前年比0.7%増(男性0.1%増、女性0.4%増)でしたが、賞与は8.1%減(男性8.6%減、女性8.9%減)と、コロナ禍で企業業績が振るわないなか、軒並み賞与は減少。その反動が給与に響きました。

 

このように考えると、第6波が懸念されているとはいえ、コロナ禍の出口がボンヤリと見えてきたなか、2021年は難しいかもしれませんが、2022年以降は給与増となるのでは、と期待する人もいるでしょう。一方で長引くコロナ禍で基本給も減少するのでは……と危機感を募らせている人も。とにかく、コロナ禍の収束を期待せずにはいられません。