(※写真はイメージです/PIXTA)

寒暖の差が出やすい春先や秋口。小児科医の米田真紀子氏は、子どもの「喘息」に注意が必要といいます。すでに喘息と診断されている子どもはもちろん、1日の中で特定の時間にだけ喘息症状が出る「隠れ喘息」は見逃されやすいため、特徴と対処法を見ていきましょう。

「隠れ喘息」の子どもは、喘息が出ていても元気

いつも喘息がくすぶっているけど症状がはっきりしない「隠れ喘息」の子どもは、喘息発作が出ていても意外にケロリとして走り回っているため、親もなかなか病気に気づけません。

 

咳はしているものの、元気なので病院を受診しようと思わずに、咳をしていることに慣れてしまいずっと放置してしまっているケースもあります。聴診器を当てるとすごくゼーゼーしていて、これで平気でいられるのかとびっくりします。ただ、その間にも少しずつ気道に炎症は広がっているため、「隠れ喘息」は進行しているのです。

喘息を疑ったときは?

喘息を疑った場合は、小学生以上であれば呼吸機能検査や呼気のNO(一酸化窒素)測定をします。また、まだ検査ができない乳幼児や、受診時は症状がはっきりしないような軽症の喘息がある場合でも、喘息の薬をしばらく使ってみて、症状が改善するかどうか試してみるという方法もあります。

大切なのは「火事を起こさないこと」…喘息の治療法

喘息治療には、発作時治療と予防治療があります。

 

喘息発作時の治療は「気管支拡張薬」というお薬を使います。気管支拡張薬には内服薬、貼付薬(テープ)、吸入薬と各種剤形がありますが、これはあくまで発作時の症状を少しの間だけ楽にするために使うものです。

 

喘息と診断されていても、軽症の場合はこの発作時の治療だけでなんとかなってしまいますが、前述のように少しでもお子さんの呼吸機能を守るためには、気道炎症を抑え火事を起こさないようにする予防治療が一番大切です。

 

予防治療は、ロイコトリエン拮抗薬の内服とステロイド吸入薬を組み合わせて行います。発作の重症度や頻度を考慮し、さらに、それぞれ発作のおきやすい時期や状況に応じて、主治医とともにお薬を調整するオーダーメイドの治療をすることが望ましいです。

 

適切な喘息治療をすることによって、今まで喘息によって制限されていた活動ができるようになったり、急に体育の成績がよくなった、とか、マラソンがしんどくなくなったり、風邪の治りがよくなった、ということも外来でよく経験します。

 

この記事を読んで「あれ? うちの子にあてはまるかも…」と思われた方は、一度専門医に相談してみることをお勧めします。

 

 

米田 真紀子

小児科医

医療法人 啓信会きづ川クリニック

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『こどもKARADAs』から転載したものです。