大腸がんの早期発見…「コリバクチン検査」の効果は?
大腸がんになりやすいかどうかのリスクを調べる「コリバクチン検査」は、ネイチャー誌に論文も掲載されました。
胃がんは、ヘリコバクターピロリという菌に感染していると発症する可能性が高いといわれ除菌方法も確立されていますが、大腸でも同様にコリバクチンという遺伝性毒性物質を産生する一部の細菌が腸内にいて、大腸がん患者さんの実に約7割がこのコリバクチン産生菌に感染していることがわかりました。【図1参照】
コリバクチン検査の方法と結果までの期間
コリバクチン検査は通常の便潜血検査と同様、ご自宅で便を採取するだけの簡単な検査です。
検査にあたり、受診される日の3日前までに採便してください。便潜血の検査も同時に行う場合は、コリバクチン検査の採便を先に行ってください。
また、検査前の食事制限や前日の飲酒制限もなく、女性の方は生理中でも検査可能です。
検査容器に採便していただきお持ちいただければ、約2週間後に結果をお知らせします。
なお、この検査は胃がんのピロリ菌感染の場合と異なり、結果が陰性でも生活習慣などの改善がみられない場合、半年から1年後に陽性に転じる可能性もありますので、定期的にお受けいただくといいと思います。
コリバクチン検査の結果、あなたの将来の大腸がんになるリスクがわかります。リスクが高い方は生活習慣を見直し、大腸がんに予防する行動につなげることができます。
「大腸がん」にならないため…気を付けたい6つのこと
・適正体重を維持すること
・禁煙しましょう
・赤身肉は1週間で500g未満に(世界がん研究基金/米国がん研究協会)
・運動は歩行などの身体活動を1日60分。息がはずむ程度の運動を1週間に60分程度。
・食物繊維の摂取を。バランスのいい食生活を。
大腸がんの家族歴のある方やお肉中心の食生活の方、大腸がんをご心配される方には、このコリバクチン検査もぜひお勧めいたします。
コロナ禍で受診控えが続く現在、こうした新しい検査でご自身の疾患へのリスクを探ってみるのも新しい医療の在り方かもしれません。
宮崎 郁子
副院長
東京国際クリニック
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