(※写真はイメージです/PIXTA)

五十肩は都合のいい言葉で、50歳前後の人で肩関節に痛みがあれば、五十肩と自己判断してしまいがちです。しかし、肩関節の痛みを甘くみてはいけません。自己判断で安易に放置してはいけない理由を横浜町田関節脊椎病院の歌島大輔先生が解説します。

五十肩を安易に放置して後悔しないためにすべきこと

では、どうしたら五十肩を放置していない状態を作れるのでしょうか。まずは最初にお伝えした通り、肩専門整形外科医を受診するということです。

 

病院のホームページをご覧いただくと整形外科医でも専門分野を示しているホームページも多いので参考にしてみてください。あとはかかりつけの整形外科の開業医であれば、地域の先生方の専門分野をご存じのケースも多いので聞いてみることをお勧めします。

 

最後に、私自身が五十肩(肩関節周囲炎や癒着性肩関節包炎、凍結肩など)と診断したときの基本的な治療方針をお伝えします。

 

まず、急性期という、強い痛みがある時期と、拘縮期(こうしゅくき)という、痛みが引いてきて可動域が狭い時期に分けて考えます。

 

急性期は痛み、炎症を抑えていくことが先決です。したがって、消炎鎮痛剤の内服、ステロイドの関節内注射を検討し、リハビリテーションをするにしても、痛みが強まらないように弱め弱めにやっていきます。

 

拘縮期には肩関節の可動域を拡げていくことが必要になりますので、リハビリテーションを積極的に行いますが、私の推奨はセルフリハビリテーションです。常に自らが自覚する痛みと相談しながらリハビリの強さと量を微調整することが大切です。そのためには、リハビリの方法だけ覚えて、あとは毎日自宅で行うという方法がオススメです。

 

そして、これらの保存療法で改善しない場合は関節鏡という内視鏡で分厚くカタくなってしまった関節包を剥がして切る関節鏡下授動術という治療を行っています。

 

このように五十肩とっても最終的には手術になることもある病態ですから、しっかり診断と治療を受けていただくことに大きな意味があると考えています。

 

 

歌島 大輔

横浜町田関節脊椎病院

整形外科医

 

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。