日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面が見えてきます。今回、焦点をあてるのは、内閣府の『性別による無意識の思い込みに関する調査研究』。その結果からは、古い常識に縛られたままの日本の実態が見えてきました。
「男は仕事、女は家庭」…結局、古い常識に縛られている日本の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

デート代は男性が払うべき…それって、古い考え方ですか?

このように見ていくと、「男は仕事、女は家庭」というような旧来の考え方を持つ人は年を重ねた人に多く見られますが、20代といった若い人にも根強いことが分かります。男女格差がなかなか埋まらないのは、このような意識が残っていることも一因といえるでしょうか。

 

ほかにも性別役割域の高いものとして、以下のような項目があります。

 

「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」

そう思う…男性37.8%、女性22.1%

 

「男性は結婚して家庭をもって一人前だ」

そう思う…男性30.3%、女性20.7%

 

「育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきではない」

そう思う…男性31.8%、女性30.7%

 

「女性には女性らしい感性があるものだ」

そう思う…男性51.6%、女性47.7%

 

「女性は感情的になりやすい」

そう思う…男性35.6%、女性36.6%

 

「男性は人前で泣くべきではない」

そう思う…男性31.0%、女性18.9%

 

出所:内閣府『令和3年度性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究』

※男性か女性、または双方が30%を超えた設問項目を抜粋

※数値は「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計

 

同調査の自由回答から、いくつかコメントを紹介しましょう。

 

出産をしたのですが、家事育児は女性がやるものだと、旦那と義母から言われました。復職を考えているのですが、女は家を守れと言われ、まだできていません。(20代女性)

 

我が家は共働き、二人とも働いているので、家事も分担すべきと話し合って、お互い協力しあっているつもりだが、親戚の人に女が家のことをしないなんてありえないと言われた(40代女性)

 

(「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」に対して)

上司から男はいくら稼いでいるかで価値が変わると言われた(男性40代)

 

仕事を辞めることを検討していると親に相談したら、男のくせに、といわれた。(男性50代)

 

(「男性は結婚して家庭をもって一人前だ」に対して)

男なら、早く結婚して所帯を持つべきだと高齢者にいわれた(20代男性)

 

(「デートや食事のお金は男性 が負担すべきだ」)

デートの時に割り勘をするかどうかという話のときに、知人から男なら払うのが当たり前と言われた。(20代男性)

 

出所:内閣府『令和3年度性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究』