日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面が見えてきます。今回、焦点をあてるのは、内閣府の『性別による無意識の思い込みに関する調査研究』。その結果からは、古い常識に縛られたままの日本の実態が見えてきました。
「男は仕事、女は家庭」…結局、古い常識に縛られている日本の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

男女の賃金差165万円…旧来の常識が格差是正を阻む?

なかなか埋まることにない男女の差。厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、男性の平均年収は546万円、女性は381万9000円。女性の賃金は、男性の賃金の69.9%。さらに年齢別に見ていくと、20代前半では男女間の賃金差はそれほどありませんが、年齢とともにその差は大きくなり、50代で最大となります。

 

【年齢別「男女間賃金格差」】

20~24歳 男性325.6万円、女性300.9万円(92.4%)

25~29歳 男性410.4万円、女性359.9万円(87.7%)

30~34歳 男性475.6万円、女性377.8万円(79.4%)

35~39歳 男性541.1万円、女性397.4万円(73.4%)

40~44歳 男性590.3万円、女性411.7万円(69.7%)

45~49歳 男性635.8万円、女性419.2万円(65.9%)

50~54歳 男性684.0万円、女性421.1万円(61.6%)

55~59歳 男性676.2万円、女性410.4万円(60.7%)

60~64歳 男性471.9万円、女性334.6万円(70.9%)

 

出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より算出

 

また総務省『労働力調査』によると、雇用者に対する「正社員」の割合は、男性61.3%に対し女性は39.2%。「契約社員」の割合は、男性3.8%に対して女性は4.4%、「派遣社員」の割合は、男性1.4%に対して女性は2.8%。

 

仕事において男性よりも女性のほうが圧倒的に不利であることが数値からも明らか。しかしその根底には、未来を担う20代でさえも「男は仕事、女は家庭」と、旧体質の人が少なからずいるという事実があります。「女性の社会進出」が問題視されることがありますが、その解決はなかなか難しいといわざるを得ないのが現状です。