「株式投資=難しい」というイメージを持っている人は多くいますが、実は簡単な投資法です。では、なぜ、株式投資で負ける個人投資家がいるのでしょうか。株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、その理由を解説します。
単純明快な「株式投資」それでも8割の投資家が負ける理由 ※画像はイメージです/PIXTA

株式投資をしないのは「株式投資は難しいから」

みなさんは株式投資にどんなイメージを持っているでしょうか?

 

元々筆者は、株式投資といえば「勝てば人生バラ色、負ければ人生終わりになる」と思い込んでいました。と同時に「株式投資で利益を出すのは至難の業で、深い専門知識がなければ到底できない」とも思っていました。

 

どうやらこの考え方は、ごく一般的なものだったようです。

 

2018年に日本証券業協会が実施した証券投資に関する全国調査によると、株式を購入しなかった理由の第1位は「興味がない」、次いで第2位は「十分な知識をまだ持っていない」でした。このデータからは株式投資を難しく考え過ぎていることが理由で、興味が持てず、十分な知識の自信も持てないのではないかと筆者は考えました。

 

実際、「株式投資 = 難しい」というイメージを持っている人はいまだに多くいます。しかし、よく考えてみるとそうではなく、資産を増やすだけなら実は比較的簡単にできる投資法です。なぜなら、株式投資はプラスサムゲーム(参加者全体の利益と損失を合わせてプラス)になるからです。

 

短期的な売買の場合は自分の利益がそのまま相手の損失になるので、ゼロサムゲーム(参加者全体の利益と損失を合わせてゼロ)だといえます。しかし、株を長期保有する場合は別です。その場合は投資した企業の利益から定期的に配当金が手に入るため、株主である投資家全員が儲かる仕組みになっています。

 

たしかに、株価の下落によって含み損を抱えるリスクは否定できません。

 

ただ、完全に持っていないものと考えられるお金で長期的な株式投資をすればどうでしょうか。株価が下落して含み損になっても問題ない余裕資金のため、あまり気になりません。そして、感覚としては定期的に配当金が手元に入ってきて勝手にお金が増えていくのと同じようになります。

 

さらに、長期投資であるほどリスクは小さくなり、結果的に安定した値上がり益も期待できるようになります。現に日本をはじめ、米国や英国などでは長期的にみれば株式市場のチャートは順調に右肩上がりなのです。

 

このように長い時間をかけてゆっくりと投資していけば、株による資産の増加はそこまで難しいことではありません。