人が「自由」に生きるために必要なこと
種子学苑の動画を見て、このような学校で子どもを育てたかったと思いました。
日本の一般家庭でこのような理想的な教育環境を与えることは難しいのですが、「本当の自由人」に近づくために、親一人でも自分の子どもにできることはありますか?
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第三者として意見をくれる先生は、子どもの成長にとって貴重な存在です。一般校にもいい先生はたくさんいるのですが、学校のシステムや周りの意識が古いままなので、先生の良さを発揮することができません。だから私は同じ考えの保護者を集めて種子学苑を作ったのです。
ほかにも、台湾では法律の許す範囲内で、保護者、先生、校長先生が様々な教育実験を行っています。これらの活動は、2019年度から実施された教育課程綱要で、教育の規制緩和として実を結びました。
こうした学校は、確かに親にとってありがたい存在だと思います。でも、お子さんを自由人に育てるために最も重要なのは、学校ではなく親の存在です。
子どもが人生で初めて出会う先生は親であり、学校に行く前から、親の態度は子どもの価値観に影響を与えています。子どもの学校を選ぶのも、子どもが壁にぶつかった時に救いの手を差し伸べるのも、やはり親です。
子どもを自由人に育てられるかどうかの鍵は、あなた自身が握っています。どうかまずはあなたが自由人になってみせてください。
自由とは、自己中心的に「自分の好き放題にする」ことではありませんし、自由人とは、「世間から隔絶された仙人のような人」でもありません。
「自由」は「愛情」と同じく感情の一種であり、能力の一種でもあると思います。自由人とは、心身ともに落ち着いた状態で、社会にプラスのエネルギーをもたらす人のことではないでしょうか。
また、自由人は自分の意見をもっていて、自分を大切にし、他人を尊重し、自然や地球を愛し、世の中をよりよくしようと考えるでしょう。民主主義社会では良い市民となり、中央集権社会では、正しくないことにノーと言うか、少なくとも自分は正しいことをしようとします。
あなた自身が自由人になれば、お子さんがどんな学校に行っても、どんな困難に直面しても、あなたと同じ自由人に成長できるはずです。もしあなたが自分はまだ自由人になれていないと思うなら、これを目標にすればいいことです。
今はお手本を見つけるのが難しい時代です。ぜひ親御さんにはお子さんのお手本になってほしいと思います。
李 雅卿(リー・ヤーチン)
種子学苑 創立者