(※写真はイメージです/PIXTA)

かゆみのある赤い発疹が出たり消えたりするのが特徴である蕁麻疹(じんましん)。非常に身近な病気であり、経験したことがある方も多いでしょう。本記事では、皮膚科医の永井弥生先生が、蕁麻疹の特徴や治療方法などを解説します。

危険な蕁麻疹:アナフィラキシーの症状であることも

「アナフィラキシー」という言葉を聞いたことがあるかと思います。体に入ってきた原因となるものに対して強いアレルギー反応を起こし、血圧が下がってショックになってしまったりするものです。

 

たとえば、ハチ刺されではアレルギーが強く出るとアナフィラキシーを起こしますが、このときに体にでる発疹は蕁麻疹です。刺された部位以外に皮疹が出てきたときにはすぐに受診が必要です。

 

フルーツを食べると口の中が痒くなる、手袋のゴムに触れて蕁麻疹を起こすといったフルーツ・ラテックス症候群という病気があります。蕁麻疹と同じ状態が口の中の粘膜におこることがあり、そうなると喉が腫れて呼吸ができなくなってしまうことがあるため危険です。体の蕁麻疹に加え、口の中がおかしい、息苦しいといったときは急いで受診する必要があります。

 

薬による蕁麻疹の場合には、その薬を今後使わないようにしなければなりません。

悪化させる要因となること

引っ掻いたり、荷物を持って力がかかったりした場所にだけに蕁麻疹が出ることがあります。このほかにも、入浴であたたまる、急に冷えるといった温度差、汗をかくなどの皮膚に刺激を与えることは、蕁麻疹が悪化するきっかけになりやすいものです。蕁麻疹がおさまらない状態のときには、こういった刺激を避けるようにしましょう。

市販のかゆみ止めの薬は?

病院でかゆみ止め、蕁麻疹の薬としてよく処方する医療用の薬は、市販でも購入できるものがあります。しかし、病院で近年よく使っている抗アレルギー薬の多くは、市販ではアレルギー性鼻炎にしか適応となっていないものが多いのです(アレグラFX、アレジオン、クラリチンなどがあります)。

 

かゆみや蕁麻疹の薬として市販で購入できるものは、比較的古くから使われていた抗ヒスタミン薬が多く、眠気が出る頻度が高い傾向があります。とりあえずの対応には使ってみてもよいですが注意が必要です。

上手に付き合うために

蕁麻疹は時に、あっという間にひどくなったり、重症になったりすることもあり、息苦しさがあるようなときには急いで受診する必要があります。原因がわかる場合にはそれを避けることも必要です。

 

また、慢性蕁麻疹の場合、どんな状態になったら薬をやめられるのか、先の見通しをしっかり知ることが上手に病気と付き合うことにも繋がります。

 

じんましんの治療には、きちんとした診断と治療方針の確認が不可欠です。自分でも正しく把握できるように、基本的な知識を持ち、わからないことは医師に尋ねましょう。

 

 

永井 弥生
医療コンフリクトマネージャー・皮膚科医・産業医
Office 風の道 代表

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。