(※写真はイメージです/PIXTA)

50歳以上で、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の方や喫煙習慣がある方に現れやすい末梢閉塞性動脈疾患という疾患があります。症状は足が痛いというものですが、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気、もしくは重度の後遺症がのこる可能性のある病気につながる疾患です。本記事では、べっぷ内科クリニックの院長である別府浩毅先生が、末梢閉塞性動脈疾患の具体的な症状やなりやすい人の特徴を紹介します。

末梢動脈疾患に対する治療方法

末梢動脈疾患に対する治療法は主に次の4つになります。

 

1. 禁煙
2. 運動療法
3. 薬物治療
4. カテーテル治療や血管バイパス手術

 

1. 禁煙

 

一番の治療法は何と言っても「禁煙」であり、禁煙をせずに末梢動脈疾患をよくすることは困難です。薬物治療やカテーテル治療、血管バイパス手術も、禁煙ができなければその恩恵は一時的なものとなります。

 

2. 運動療法

 

運動療法はおもに歩行機能の改善に対して効果が期待できるため、血流障害にともなう症状が中程度までであれば必須の治療方法となります。運動療法を実施することにより、側副血行路という血流不足におちいっている足の筋肉に新たな血管の発達がうながされますし、痛みに強くなることなどにより、歩行機能が改善します。

 

3. 薬物治療

 

血管の狭窄、血流障害をともなう症状に対して、血液を固まりにくくする抗血小板薬や、血流を改善させる血管拡張作用のある薬剤を使用し症状緩和をはかりつつ、動脈硬化を進める生活習慣病是正のための薬物治療が行われます。

 

4. カテーテル治療や血管バイパス術

 

カテーテル治療は、足の血管にカテーテルを通して、狭窄している部位を風船で膨らませたり、血管を支えるステントという金属を血管に留置したりすることで、血管の狭窄を解除し血流を改善させます。血管バイパス手術は、人工血管を用いて、血管が狭窄している部分を迂回する新たな道:バイパスを作ることで、末梢への血流を改善させます。

早期治療のタイミングを逃さないために

単に「歩くと足が痛い」といった足の症状にとどまらず、心筋梗塞、脳梗塞など重大な血管病を引き起こす末梢動脈疾患についてお伝えしてまいりました。

 

最後にお伝えしておきたいこととして、気になる症状があれば、一度医療機関を受診されることをお勧め致します。ネットなどの情報がたくさん存在するなか、自己判断(診断)をしてしまい、早期治療のタイミングを逃してしまう方も少なくありません。

 

末梢動脈疾患は、地域の一般内科、循環器内科などで初期診断が可能な病気です。この記事が、ご覧いただいた方々の健康増進、健康寿命の延伸に寄与することを願います。

 

 

別府 浩毅

べっぷ内科クリニック 院長

 

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※本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。