2025年、後期高齢者となる「団塊の世代」
日本の高度成長を支えてきた団塊の世代。2025年には多くがいわゆる後期高齢者になりはじめ、社会保障費が増大することから、「2025年問題」などと騒がれています。
そもそも団塊の世代とは、終戦後、1947年~1949年に生まれた世代を指しますが、その範囲はさまざまで、1951年生まれまでを指すこともあります。その名前の由来は、堺屋太一著『団塊の世代』。他の世代と比較して人口が多い世代がテーマとなっている小説であり、団塊とは「堆積岩の中に存在する、周囲より硬いかたまり」を意味します。
2021年、団塊の世代の年齢は70歳~74歳。その人口の多さから、さまざまな社会問題とともに語られることの多い団塊の世代ですが、彼らの足跡を振り返ると、現役世代が将来のためにどのように備えるべきか、どのように行動すべきか、参考になるでしょう。
団塊の世代が大学を卒業して初めて手にした給料(1970~1974年)は、平均4万~8万円。現在の価値に換算すると、おおよそ14万~16万円程度でした。2019年度の大卒初任給が平均21万0200円ですから、この50年あまりで確実に大卒初任給はあがったことが分かります。ちなみにの1970年、会社員の平均年収は9万3990円、1974年は18万2100円。5年で約2倍になった……そんな良き時代でした。
【団塊の世代…大卒時平均初任給】
1970年(昭和45年)39,900円
1971年(昭和46年)46,400円
1972年(昭和47年)52,700円
1973年(昭和48年)62,300円
1974年(昭和49年)78,700円
出所:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』より推計
団塊の世代が「最もいい時代だった」と回顧するのは、バブル景気のころかもしれません。もはや歴史の教科書で紹介されるような時代で、札をヒラヒラとさせてタクシーを止める姿は、いまや笑い話になっています。