主に年金に頼りながら暮らすという、誰もが思い描く老後を思い描いていた団塊の世代の人々。現在、70~74歳になったときの第15回追跡調査で、彼らはは何を語ったのでしょうか。
まず就業について。約半数が「仕事をしている」と回答。「正規の職員・従業員」として働いている人は第1回の38.5%から大きく減少して4.1%、「パート・アルバイト」は第1回16.8%からほぼ横ばいの16.9%。自営業は第1回15.5%から13.1%と、多くが現役のままのようです。
しかし仕事に対して前向きかといえば、そうとも言いきれません。「これから先も仕事を続けたいか」と問われると、70歳以降は39.0%が「仕事をしたい」と回答するも、その理由の半数以上となる51.2%が「生活費を稼ぐために仕事をしなければならない」と回答。単純計算、70代の5人に1人が「生活のために働かなければいけない」という状況に陥っているといえるのです。
厚生労働省『令和元年度 厚生年金・国民年金事業の概況』によると、70歳で手にする平均年金額(厚生年金保険第1号の場合)は14万7292円。5人に1人は、生活費が不安で働かざるを得ない……それが年金生活の現状だということを、これから後期高齢者となる団塊の世代の人たちは教えてくれています。
老後不安に陥らないために、現役世代の人たちができることは、なるべく早く、先を見越して資産形成を始めること以外なさそうです。