2021年「小学校・学力調査」教科別ランキングを発表
文部科学省は『令和3年度全国学力・学習状況調査』の結果を発表。小学校では6年生を対象に実施され、国語と算数について行われました。
調査対象は、公立小学校1万8965校、国立小学校75校、私立学校240校。そのうち、公立小学校では99.4%、国立小学校では81.3%、私立小学校では50.0%の学校が集計対象となりました。また調査対象106万371人の児童うち、100万5600人が集計対象となっています。
教科別に結果を見ていきましょう。
まずは国語です。平均正答数は14問中9.1問で、中央値は10.0問、正答率64.9%でした。問題ごとに見ていくと、「資料の文章の中の『より』と同じ使い方として適切なものを選択する」という「思考に関わる語句の使い方を理解し、話や文章の中で使う」ことを問う問題で正答率は87.6%。一方で、「ファスナーに関する資料を読み、ファスナーが国際宇宙ステーションの中でどのように使われているのかをまとめて書く」という、「目的を意識して、中心となる語や文を見付けて要約する」記述式の問題は、29.9%と低い正答率でした。
また都道府県別に正答率を見ていくと、トップとなったのは「秋田県」と「石川県」で、正答率は71%。平均値を上回ったのは、27の都府県となりました(関連記事:『【2021年】都道府県「小学生・学力」ランキング』)。
【都道府県別:小学校「国語」正答率トップ10】
1位 正答率71%
秋田県、石川県
3位 正答率69%
青森県、福井県
5位 正答率68%
東京都、京都府
7位 正答率67%
富山県、高知県、鹿児島県
10位 正答率66%
岡山県、広島県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県
出所:文部科学省『令和3年度全国学力・学習状況調査』より
次に算数の結果を見ていきましょう。平均正答数は16問中11.3問で、中央値は12.0問、正答率70.3%でした。問題ごとに見ていくと、「6年生の本の貸し出し冊数を、棒グラフから読み取って選ぶ」という、「棒グラフから、数量を読み取ることができる」かを問う問題で正答率は95.8%。一方で、「二等辺三角形を組み合わせた平行四辺形の面積の求め方と答えを書く」という、「複数の図形を組み合わせた平行四辺形について、図形の構成の仕方を捉え、面積の求め方と答えを記述する」問題は46.2%と低い正答率でした。
また都道府県別に正答率を見ていくと、トップとなったのは「石川県」と「東京都」で、正答率は74%。平均値を上回ったのは12の都府県でした。
【都道府県別:小学校「算数」正答率トップ10】
1位 正答率74%
石川県、東京都
3位 正答率73%
福井県、京都府、富山県
6位 正答率72%
秋田県、愛媛県
8位 正答率71%
青森県、高知県、鹿児島県、兵庫県、香川県
出所:文部科学省『令和3年度全国学力・学習状況調査』より
地域別では「石川県」が国語と算数ともにトップになるなど、存在感を発揮しています。また選抜試験を経ていることから、正答率は「国立・私立>公立」の傾向にあるとしています。