子どもにイライラしてつい小言をぶつけてしまうことへ、悩みを持つお母さんは多いものです。その原因は様々ですが、ここでは教育評論家の石田勝紀氏が、親が無意識のうちに持っている「目上の意識」について解説します。 ※本記事は、書籍『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』(集英社)より一部を抜粋・再編集したものです。
「親だから偉い」勘違いが生む悲惨…子どもが同じ誤りを繰り返すワケ ※画像はイメージです/PIXTA

子どもは親を「XXXな存在」だと思っている

親はやみくもに自分が「上」だと考えますが、子どもの気持ちはもっとニュートラルです。

 

親はいつもそばにいて、身のまわりの世話をしてくれる存在。そこにいるのが当たり前の人ですから「上」というより、むしろ「対等だ」くらいの感覚で暮らしています(子どもが親のありがたみを実感するのは、ずっと時間がたって大人になってからです)。

 

子どもが頼りにしているのは、「好き」「すごい」「面白い」「かっこいい」「楽しい」といったストレートな感情です。親に対してもその感覚は同じです。「親だから偉い」とか「親だから賢い」なんて、ちっとも感じてはいません。

 

大人の世界でいえば、子どもにとって親というのは、会社の同僚のような存在です。そんな「対等な存在」であるはずの親から、毎日ことあるごとに上から目線で指示が飛んできたら、だれだって面白くないはずです。

 

ここで実験をしてみましょうか。お試しで2週間ほど、お子さんに「同級生」や「同僚」のように接してみてください。

 

「そろそろ着替えたほうがいいんじゃない?」

「部屋を片づけたほうが気持ちいいかも」

「先に宿題をしてから、いっしょに遊ぼう」

「手を洗わなくても大丈夫?」

 

これまでの命令口調や子どもを責め立てるようなお小言は、こんなふうに変わっているかもしれません。

 

「親が格上だという勘違い」を手放したとたん、子どもとの関係はずいぶん気楽に変化していきます。

 

「指示にしたがってくれるはずの子どもが、私の言うことを聞いてくれない」

 

こんな勝手な思い込みを捨てることで、日々のストレスはずいぶんと軽減されるはずです。そしてその結果として、親への尊敬の念が生まれてくるものなのです。