現代のお母さんたちは「孤立化」しています。相談相手がいないだけで、心が負のスパイラルに陥り、子どもにイライラしてしまうように…。ここでは、さらに苛立ちを加速化させる原因について、教育評論家の石田勝紀氏が解説します。 ※本記事は、書籍『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』(集英社)より一部を抜粋・再編集したものです。
「うちの子は片づけができなくて」ママの悩みに教育評論家が神回答 ※画像はイメージです/PIXTA

ママたちが気づいていない「イライラの原因」

孤立したママたちがひとりで子育てに追われるなか、イライラをさらに深刻にする理由が、子どもの学力にあります。

 

「そこまで学力のことを気にしているつもりはない」と感じるママもいらっしゃるでしょう。

 

では、こんなたとえ話をしてみましょう。

 

あなたのお子さんの成績が学年でトップだとします。家ではゲームばかりやっていますが、このままいけば目標の国立大に入ることだって現実味があります。そうなれば、家計的にも大助かり。

 

こんなわが子に、「ゲームばかりしてないで、早く勉強しなさい!」と叱りつけますか?

 

「ママカフェ」でこんな話をすると、ママたちは「いいえ、言いません」ともれなく答えます(笑)。

 

「ゲームばかりで勉強をしてくれない」というのは、多くのママが抱える悩みですが、イライラの直接の原因はゲームではありません。「こんなに毎日ゲームばかりやっていたら、きっと学力に悪影響を及ぼすに違いない」という学力低下への不安がイライラを増大させるのです。

 

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こんなたとえ話で、「やっぱり子どもの学力のことがいつも頭のなかにあったんだ」と気づくママさんが大勢いらっしゃいました。

 

もちろん、学力や勉強のことを考えないでよい、とは言いません。まず、イライラの原因が子どもの学力と紐づいているという事実に気づいてください。こんな小さな「気づき」が、イライラを手放す上で重要になります。

 

子どもの学力を伸ばしたいなら、その方法は別のところにあります。私の経験によれば、イライラによる短所いじりで学力が伸びたことは一度だってありません。この事実を知るだけでも、イライラの回数は減るのではないでしょうか?

 

子育てでイライラするのは当然のことです。だれだってイライラの感情を抑えることはできません。ならば、せめてイライラの回数を減らそうじゃないか、という提案です。