子どもにイライラしてつい小言をぶつけてしまうことへ、悩みを持つお母さんは多いものです。その原因は様々ですが、ここでは教育評論家の石田勝紀氏が、親が無意識のうちに持っている「目上の意識」について解説します。 ※本記事は、書籍『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』(集英社)より一部を抜粋・再編集したものです。
「親だから偉い」勘違いが生む悲惨…子どもが同じ誤りを繰り返すワケ ※画像はイメージです/PIXTA

「子どもより親は格上」なのか?

お伝えしておきたいイライラの原因があります。

 

それは、親が子どもに対して無意識のうちに持っている「目上の意識」「優越の意識」です。

 

そもそも論になりますが、あなたは日ごろから「親は子どもより偉い存在、命令して当たり前の上下関係にある」と決め込んではいませんか?

 

これが、イライラを呼ぶ大きな原因でもあります。

 

何の疑問も持たずに「子どもより自分のほうが格が上だ」と信じ込む根拠は、いくつか考えられます。

 

「親のほうが先に生まれているから」

「毎日ごはんをつくって育ててあげている」

「お金を稼いで養っているのだから当然」

「人生の先輩としていろいろ教えてあげているから格上」

「親なんだから(当たり前だ)!」

 

子どもはまだ幼くて、体力もありません。たしかに社会的な経験値を比べれば大きく劣るに違いありません。しかし、人間として持って生まれたポテンシャルが低いかどうかは別次元の話ではないでしょうか?

 

むしろ、素直さや純粋さ、まっすぐさ、正直さ、真剣さ、誠実さなど、人間が本来持っていてよい「善」の部分では、子どものほうがはるかに上だと感じることはありませんか?

 

私は、人間の「格」と年齢やキャリアには、あまり関係がないと思っています。実際、30年以上にわたってたくさんの親子に接してきましたが、親よりもお子さんの人格のほうが上だな、と感じることがしばしばありました。

 

多くの親は、子どもを自分の支配下に置こうとします。でも考えてみれば、その根拠はいたって曖昧ではないでしょうか?