かなり理不尽な態度をとるお客様と出会ってしまった場合、どうすればよいのか? 本記事では、元野村證券でYouTuberの宋世羅(そんせら)氏の著書『ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則』(飛鳥新社)より、一部を抜粋・編集し、対処法を紹介します。
営業マンの必須テクニック…理不尽すぎる「モンスター客」への対処法 (写真はイメージです/PIXTA)

「超マウンティングされた時」の対処法

もう一つ、この「即折り、即肩組み」の具体例を挙げます。野村設券の新入社員時代はよく飛び込み営業をやっていたので、たまに新人の証券マンをバカにして超マウンティングをとってくるおじさんに出会いました。

 

「お前みたいな証券マンはまだまだクソ雑魚」「俺はこれだけ投資をやっていて、これだけ知識がある」と、上からいびり倒してくるわけですが、こういう知識ひけらかしマンも同じようにまず折りにいく必要があります。

 

どうやるかと言うと、専門的な知識を投げるのです。たとえば、超マウンティングをとられて雑魚扱いされたとして、

 

「やっぱり、Aさんすごいですね。昨日、アメリカでこんなニュースが出て、この指数を今投資家のみなさんは結構注目されてると思うんですけど……」

 

といった感じに、ちょっと専門的なことを投げてみる。そうすると、もちろん相手は「ウッ」となるのですが、その「ウッ」となった瞬間にすぐ肩を組みに行きます。

 

「おっしゃる通りまだまだ新人なんですけど、必死に勉強しています。Aさんのお役に立てるよう頑張りますので、タイミングと商品を見ていいものがあれば是非またご提案させていただいていいですか?」

 

と、すぐに肩を組みに行くことが理不尽なマウンティングをされた時の対処法です。

本来なら関わってはいけない

舐められてしまった時の営業マン自身の気の持ち方についても触れておきたいと思います。

 

やはり、風格や実力などの面で営業マン自身がショボければ、お客様は舐めてくるものです。それは当たり前。なので、舐められなくなるためには、営業マンが実力をつけることが、一番手っ取り早い。

 

それが大前提としてあった上で言いたいのが、こういった理不尽にマウンティングをとってきたり、差別的なことを言ってくる人、存在を否定するように舐めてくる人というのは、基本的に相手にしてはいけない人だということ。

 

なので、本来は関わらないようにすべきです。気の弱い営業マンは、そういうモンスターのマウンティングや人格否定を真に受けて「俺はほんとに価値がないんだ」とか「営業マンって社会の悪なんだ」とダメージを受けてしまうかもしれませんが、そんな必要は全くありません。

 

たとえば、「営業マンなんて全員クソ」「営業マンはみんな詐欺師だ」というような人がいたとして、これは冴えない男が「女なんてマジ全員クソ」「女はみんな性格悪い」と言っているのと同じです。

 

今まで、しょうもない女性としか出会えなかった、自分の男としての実力の低さ、運の低さがクソだという話で、その自分の実力レベルが低いことを高らかに叫んでいることに気づいていない。

 

「営業マンなんて全員クソ」「営業マンはみんな詐欺師だ」と言っている人は、それは今までいい営業マンに出会ってきていないその人の実力の低さ、運の弱さを自らアピールしている恥ずかしい奴だというのが私の考えです。

 

 

宋 世羅

元野村證券YouTuber