公的年金…平均受給額を手にしている人は意外と少ない!?
ここまで公的年金の受給額を、さまざまな角度から見ていきました。受給額の平均値を知って、「月に14万円……これだけもらえるなら老後は大丈夫」と安心した人も多いことでしょう。しかし、これはあくまでも平均値であり、当然、平均額以下の人が存在しています。
前出の同調査より、年金受給額の金額ごとの分布を見ていきましょう。
国民年金の場合、「6~7万円未満」が受給額のボリュームゾーンで18.19%。また受給額が平均以下の5万円未満は41.55%。5人に2人は平均以下という水準です(関連記事:『厚生年金、国民年金、いくらもらっているか?金額別受給分布』)。
【国民年金「月額受給額の金額別分布」】
~1万円未満 6.25%
1万~2万円未満 4.69%
2万~3万円未満 4.05%
3万~4万円未満 5.16%
4万~5万円未満 8.57%
5万~6万円未満 12.83%
6万~7万円未満 18.19%
7万~8万円未満 18.33%
8万~9万円未満 11.73%
9万~10万円未満 5.63%
10万円未満 4.57%
出所:厚生労働省『令和元年度 厚生年金・国民年金事業の概況』より
一方、厚生年金の場合、20万円以上が16%ほどいる一方、10万円未満も20%を超えています。さらに50%近くの人が、平均受給額の14万円以下。2人に1人は厚生年金の平均受給額を手にしていないのです。
【厚生年金「月額受給額の金額別分布」】
5万円未満 2.91%
5万~10万円未満 20.76%
10万~11万円未満 6.93%
11万~12万円未満 6.27%
12万~13万円未満 5.71%
13万~14万円未満 5.51%
14万~15万円未満 5.58%
15万~16万円未満 5.77%
16万~17万円未満 6.08%
17万~18万円未満 6.28%
18万~19万円未満 6.11%
19万~20万円未満 5.67%
20万円以上 16.39%
出所:厚生労働省『令和元年度 厚生年金・国民年金事業の概況』より
このように見ていくと、平均的な金額の年金を手にして、老後を安心して暮らせている人は決して多くはないことが分かります。
さらに現役世代の人たちが年金を頼りにする時、社会情勢がどのようになっているか、そのときの年金額で生活できるか、はっきりとは分かりません。不確定なことだからこそ、いあできる範囲で資産形成を進めていくことが肝心です。