日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、「1964年東京五輪と2021年東京五輪」、2つの時代を比較していきます。
会社員の給与は10倍に!「東京オリンピック」1964年と2021年を比較

1回目の東京五輪が開催された1964年を振り返る

柔道男子60kg級の高藤直寿選手、66kg級の阿部一二三選手、柔道女子48kg級の渡名喜風南選手、52kg級の阿部詩選手、水泳女子400m個人メドレーの大橋悠依選手、スケートボード男子ストリートの堀米雄斗選手……7月25日現在、東京五輪で金メダル5つ、銀メダル1つと、合計6つのメダルを獲得している日本。開催に際して賛否両論がありましたが、日本選手の活躍ですっかり五輪モードに包まれています。

 

そんな東京でのオリンピックは、誰もが知るように1964年に続いて2度目。前回は1964年10月10日から10月24日の2週間にわたり開催されました。日本が獲得したメダルは、金メダル16個、銀メダル5個、銅メダル8個と、計29個。金メダルの数は米国(36個)、旧ソ連(30個)に続いて3番目でした。

 

また前回大会では開催に向けて様々なインフラが整えられました。交通では東海道新幹線や東京モノレール、首都高速道路など。宿泊施設では、ホテルニューオータニやホテルオークラ(現ホテルオークラ東京)、東京ヒルトンホテル(現ザ・キャピトルホテル 東急)など。競技場としては、旧国立競技場や国立代々木競技場、日本武道館など。更新された施設もありますが、今日の東京を支える建造物として今なお現役です。

 

ちなみに今回の東京オリンピックでは中央区・晴海に選手村が作られましたがが、1964年大会では代々木に本村を、八王子、相模湖、大磯、軽井沢の4ヵ所に分村が作られました。代々木の本村はその後再整備され、現在は代々木公園として親しまれています。

 

そんな1964年。いまから57年前の日本の人口は9718万人。まだ1億人に達していませんでした。1億人を超えたのは1967年。それから増加の一途を辿りますが、2008年に1億2808万人をピークに減少に転じます。

 

少子高齢化が顕著になっている2021年の日本ですが、当時の平均寿命は男性67.67歳、女性72.87歳。現在、65歳以上の高齢者は総人口の28.8%を占めますが、当時はわずか6.2%しかありませんでした。

 

また定年は55歳が主流で、1994年の法改正(施行は1998年)で60歳未満定年制が禁止に。意外にも「60歳で定年」というのは、つい最近のことなのです。その後、2012年の法改正で「原則希望者全員の65歳までの雇用を義務化」となり、2020年の「高年齢者雇用安定法」の改正で、70歳まで働ける土台が整いました。