日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「東京都の年収事情と暮らしぶり」について見ていきます。
東京都「会社員の平均年収595万円」で全国1位…暮らしぶりは意外にも ※画像はイメージです/PIXTA

家計調査で明らかになった東京都・勤労世帯の家計

そんな東京の平均的な暮らしぶりを、総務省『家計調査家計収支編2020年』で二人以上世帯/勤労世帯で見ていきましょう。

 

東京の勤労世帯(世帯人員3.29人、世帯主年齢49.1歳)の持ち家率は70.9%。全国平均80.1%よりも10ポイントほど低く、賃貸派の多い傾向にあります。また配偶者(女性)の有業率は49.1%。全国平均54.7%に比べて、いわゆる専業主婦が多い地域になります。平均収入は74万0485円。世帯主の平均収入55万円ほどに加え、配偶者も10万円ほどの収入を得ています。

 

衣食住などにかかる支出は50万円弱。ほとんどの項目で全国平均を上回っていますが、「光熱・水道」(全国平均2万1696円)、「交通・通信」(全国平均4万9469円)は下回っています。最近は、電気や携帯電話など、工夫次第でぐっと割安になるプランが登場しています。都市部の人のほうが利用割合が高く、このような傾向が東京都の家計にも表れていると考えられます。

 

【東京都の勤労世帯家計の平均値】

■実収入 74万0485円

「世帯主の収入」55万2665円

「世帯主の配偶者の収入」10万9540円

■実支出 49万8696円

「消費支出」34万7869円

 食料 9万5243円

 住居 3万3178円

 光熱・水道 2万0682円

 家具・家事用品 1万4350円

 被服及び履物 1万3978円

 保健医療 1万7046円

 交通・通信 3万6615円

 教育 2万7433円

 教養娯楽 3万4728円

 その他の消費支出 5万4616円

「非消費支出(直接税、社会保険料等」15万0826円

 

出所:総務省『家計調査家計収支編2020年』二人以上世帯/勤労世帯より

※数値はそれぞれの項目の平均値。加算しても実収入、実支出にはならない

 

また所得から税金や保険料などを引いた手残りである可処分所得から消費支出を引いた、黒字額は24万1789円(全国平均192828円)で、黒字率は41.0%(全国平均38.7%)。収入が多い分お金を使う、というわけではなく、将来を見据えて貯蓄をしっかりしている、そんな堅実派が東京都には多いようです。