首都・東京の年収事情…全国トップの貫禄を発揮
総務省『令和2年国勢調査(速報)』によると、東京都の人口は1406万46961人。5年前の調査と比べて 4.1%の人口増となりました。全国的に人口減の傾向が強まるなか、人口増加率では全国トップ。さらに特別区に限ると、 人口は974万4534人で、5年前の調査と比べて5.1%増。東京、特に都心の一極集中が鮮明になっています。
世帯数は721万9402世帯で、 7.7%増を記録。1世帯当たりの人員は1.95人と、全国で唯一2.0人を下回り、単身世帯の増加が顕著となっています。
そんな東京の年収事情を見ていきましょう。
厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、東京都の会社員の月収(所定内給与)は、37万3600円で、推定年収は595万2300円。47都道府県のなかで、圧倒的トップとなっています。
男女別にみると、男性会社員の月収は41万0300円、推定年収は661万1400円、女性会社員の月収は30万2700円で、推定年収は468万2200円です。
年齢による平均年収の推移を見ていくと、年齢と共に年収はぐんぐん上がっていき、定年前の50代後半で765万4000円に達します。全国平均と比べてみると、20代前半では11万3500円の年収差が、50代後半には181万1400円にも拡大します。
【東京都の会社員の年収推移】
「20~24歳」325万3000円(313万9500円)
「25~29歳」426万3000円(389万5400円)
「30~34歳」514万1000円(441万4200円)
「35~39歳」598万5000円(493万5000円)
「40~44歳」662万4000円(530万6200円)
「45~49歳」699万9000円(560万6600円)
「50~54歳」748万9000円(590万4400円)
「55~59歳」765万4000円(584万2600円)
「60~64歳」545万5000円(430万1700円)
「65~69歳」433万2000円(357万7000円)
出所:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』より作成
さらに総務省の「令和2年度課税標準額段階別所得割額等に関する調」で、東京都内市区町村別の年収事情を見ていきましょう。トップは「港区」で1163万1584円。続く「千代田区」も1005万6536円と、1000万円の大台を超えています。
ベスト10では23区が並ぶなか、 「武蔵野市」が540万4434円で9位にランクイン。「杉並区」に隣接し、人気の街ランキングの常連である「吉祥寺」を有する市。教育機関も充実するなど、高所得者が集まりやすい住環境を広がるのが一因だと推測されます(関連記事:『東京都「市区町村」年収ランキング』)。
また島嶼部を除き、地域の年収差は800万円以上。東京都は全国の中でも特に地域間の収入差の大きな地域といえそうです。