日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあたるのは「東京都23区の平均年収」。突然世界を襲った新型コロナウイルスは、23区の平均年収にどのような影響を及ぼしたのでしょうか?
最新「東京23区年収ランキング」1位と23位の年収差、815万円に縮小 ※画像はイメージです/PIXTA

東京都23区内の年収格差…コロナ禍で縮小

1位「港区」と23位「足立区」との間には、平均年収で815万円の差があります。同じ23区ですが居住者の構成が大きく異なるので、年収差が大きくて当然といえば当然。「港区」をはじめとする都心は家賃が高く、必然的に居住者は経営者をはじめとした高所得者が多くなります。一方、都心を取り囲む地域は家賃もお手頃となり、自然と一般層が多く居住するエリアになります。

 

同じ23区であっても地域によって大きな年収差がありますが、一昨年の差は870万円ほどで、この1年で54万円ほど、差が縮まったことになります。前出のとおり、「港区」は53万円ほど平均年収が下がったのに対し、「足立区」は1万円ほど増えました。それだけ「港区」の平均年収の下落が顕著だったということになります。

 

新型コロナウイルスは「コロナ不況」といわれるように、一部に大きな打撃を与えました。そこで大きく年収を減らしたのは、「港区」に住んでいるような高所得者だったといえそうです。もともと、生活苦とは無縁といえるだけの年収を得ているので、数十万円の年収減も痛くもかゆくもないのかもしれませんが。