具体例で解説…株式投資のリスクヘッジ手法
まずはわかりやすい具体例を挙げ、株式投資におけるリスクヘッジの手法を紹介していきましょう。
1. ある投資家が、1株5,000円のA社株を、1,000株保有していた(5,000円×1,000株=500万円)
2. ところが相場全体が下落していて、A社株も下落するリスクが高まっていると思える。しかしこの投資家は、A社株を手放したくない
3. そこでリスクヘッジとして、そのタイミングでA社株を空売り(信用取引の一種で、借りた株を売ること。期限までに返済が必要)する。同じく5,000円×1,000株=500万円の現金を手に入れる
4. その後、やはりA社株が下落し、1株4,000円になってしまう(4,000円×1,000株=400万円)。当初500万円分保有していたので、損失は100万円
5. しかし、空売りで得た現金500万円があり、仮に今すぐ借りたA社株を返済するとしても、A社株1,000株は現在400万円で買って返せるので、差額の100万円は利益となる
6. よって、「保有現物株の下落による損失=空売りで得られる利益=100万円」となり、株価下落リスクがヘッジ(回避)できる
以上は簡単な一例ですが、現物株の株価下落に備えて日経225先物で売りヘッジをしたり、株価下落を予想して空売りや先物で利益を出したい場合に買いヘッジをしたりする手法もあります。株主優待の取得が目的で、リスクヘッジをしながら一定期間だけ株主になるという投資家もいます。
このように株式投資では、不確実な株価変動に対してそのリスクをヘッジ(回避)する手法が、いくつかあります。