AI化、終身雇用の崩壊、コロナ不況……混沌としている世の中では「会社に頼らなくても生きていける力」を身につけることが大切です。その力の一つが「読書力」。本記事では、読書量と年収の相関関係から、読書が仕事にもたらす効果について見ていきます。※本連載は、金川顕教氏の著書『年収1億円の神ルール10』(ポプラ社)より一部を抜粋・再編集したものです。
衝撃!年収3000万円、高給取りの「読書量」は一般会社員の38倍 (※写真はイメージです/PIXTA)

読書なら、いろいろな人の成功や失敗が1500円程度で学べる

例えば、プロスポーツ選手は、トレーニングに80%の時間を使い、試合に20%の時間を使うと言われています。しかし、ビジネスマンは、そうではありません。多くのビジネスマンは、仕事にほとんどの時間を使っていて、勉強時間はごくわずかです。

 

例えば、1日8時間、週40時間働いて、1ヵ月160時間働いているとすると、読書時間は1%、1.6時間に満たない人がほとんどではないでしょうか。つまり、仕事が99%で、読書はたった1%です。

 

試合に勝つためにプロスポーツ選手が練習をするように、ビジネスにおいても、学びなくして成功することはあり得ません。しかし勉強に費やす時間がごくわずかの状態では、成功できるはずがありません。

 

ここで言う「学び」とは、単に知識を入れるだけでなく、入れた知識をベースにして、自分で深く考えることです。深く考えることを、ラディカルラーニングと言いますが、これは思考力にもつながることです。このラディカルラーニングをすることが、本当の意味での学びとなります。そのためにも読書は必須の行為と言えるでしょう。

 

学生の頃は、「義務教育」で、嫌々勉強していた人も多いかもしれません。しかし、筆者は、大人の学びは、「権利教育」だと考えています。「権利教育」とは、自由な学びです。自分でテキストを決めていいし、目標も期限も、自分で決めていいのです。

 

学ぶことは、人に言われるからするのではなく、自分の権利です。ですから「権利教育」なのですが、そのベースとなるのも読書です。

 

読書は、本を通じて、さまざまな人の成功や失敗が学べます。特にビジネス本の内容は、仕事で成功している人の実話、ノウハウ、人生経験などがほとんどです。ですから、著者になっている人たちの10年分の知識や経験が、1冊の本、金額にしてわずか1500円程度で学べるわけです。

 

成功の理由というのも参考になりますが、勉強になるのは、失敗した理由や、失敗した時の心構えです。

 

エジソンの2万回の失敗のエピソードを例に出すまでもなく、人間は、何かに挑戦する時、一発で成功するということはまずなく、必ず成功する前に失敗をしています。しかし、多くの方は、起業、ビジネス、転職など、失敗への心構えができていません。

 

例えば起業しても5年続けられるのは10%、10年後に生き残っていることができるのは1%とよく言われます。どこかで失敗をして倒産をしたり、会社員に戻るのです。

 

しかし、読書で他人の成功談や失敗談を学んでいれば、自分が失敗をしたとしても、焦ることはありません。月収が下がる、会社が潰れる、リストラにあうなどといったことが、すべて想定内となるからです。

 

ウォルト・ディズニー、カーネル・サンダース、マッカーサーなど、世界的な偉人も、必ず失敗をしています。このあたりのエピソードについては、『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』(大野正人/文響社)という本がおすすめですが、これを読むと、偉人と言われる人たちが、失敗から何を学び、どういう心構えで行動して成功をしたかが分かります。

 

つまり、読書によって人の成功や失敗を前借りして学ぶことが、最短で成果を出すことにつながるのです。YouTube図書館でも解説動画をアップしていますが、ぜひ本を購入して読んでみてください。

 

先にお伝えしたデータでも分かるように、圧倒的に今の日本人の多くの人たちは、読書量が足りていません。逆に考えれば、そこで読書をすれば、人と差を付けることができるというわけです。

 

金川 顕教

公認会計士