軽工業の種類…繊維、食料品、よう業、製紙・パルプ
名前は控えますが、ある製紙会社の会長が会社のお金を100億円以上不正に引き出した事件がありました。理由はカジノ。超難関校から東大出身という経歴も注目されましたが、金額も驚きですよね。ティッシュペーパーは生活必需品ですし、必ず売れるものだから会社にお金もあるのでしょう。
●戦前の日本の工業の中心だった繊維工業
軽工業について、解説していきます。まずは、繊維(せんい)工業からです。繊維工業を簡単に説明すると、次のようになります。
繊維工業
綿花(めんか)、羊毛、かいこのまゆから天然繊維をつくったり、人工的に合成して化学繊維をつくったりする工業のこと。戦前の日本の工業の中心だった。
綿花から綿糸(めんし)、羊毛から毛糸、かいこのまゆから生糸(きいと)をつくります。
かつては山梨県の甲府盆地(ぼんち)や、長野県の諏訪湖(すわこ)周辺で、かいこのまゆから生糸をつくる養蚕(ようさん)業がさかんでした。
ところが、今や天然繊維より、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維が主流になっています。
●身近な工業と言えば食料品工業
食料品工業についても、触れておきましょう。
食料品工業
食べ物をつくる工業のこと。景気の影響を受けにくい。
食べ物をつくる工業ということは、私たちの生活に直接関係のあるものをつくっている工業ということになりますね。ちなみに、魚のすり身からつくったかまぼこなどのことを何と言うか知っていますか? 答えは「練(ね)りもの」。覚えておきましょうね。
他には、レトルト食品や冷凍食品があります。レンジでチンして食べる、あの食品のことです。
●陶磁器やセメント・ガラスをつくる、よう業
続いて、よう業です。
よう業
かまを用いて、土などを加熱・加工する工業のこと。陶磁器(とうじき)の他、セメントやガラスをつくる。
よう業がもっともさかんな地域は、愛知県です。
「瀬戸物」という言葉を聞いたことはありませんか?愛知県瀬戸市では、焼き物(陶磁器)の生産で有名です。瀬戸物という名前は、もともと瀬戸市周辺でつくられたからだと言われています。
他にも、有田焼(ありたやき)、清水焼(きよみずやき)、九谷焼(くたにやき)、益子焼(ましこやき)などたくさんありますが、陶磁器については伝統工業で詳しく扱いますね。
●生活に欠かせない紙をつくる製紙・パルプ工業
製紙・パルプ工業
木のチップを溶かすなどして、紙の原料となるパルプをつくり、パルプと古紙から紙を製造する工業のこと。
製紙・パルプ工業は、静岡県の富士市が有名です。東海道新幹線で東京都から西に行くと、富士川を過ぎたあとに右手に見えてきます。ぜひ、新幹線に乗ったら見てみてくださいね。
煙がもくもく出ていて、「〇〇製紙」という会社名も見ることができるはずです。背景には富士山がそびえていますよ。
紙と言っても、単に書くための紙だけではありません。トイレットペーパーやティッシュもありますよね。
以上で、軽工業の解説は終わりです。軽工業は私たちの生活に密着している身近なものが多いですね。
松本 亘正
中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表
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