『Amazon Prime Video(アマゾンプライム・ビデオ)』『Netflix(ネットフリックス)』をはじめとしたサブスクリプション(=サブスク)を活用している人は多いことだろう。有料動画配信サービスに倣い、大手企業がこぞってサブスクを始めているが、解約率の高さに頭を抱えるケースも少なくない。そんなときに活躍するのが、チャットボットを解約ページに置き、その原因をヒアリングするシステムだ。本記事では、株式会社Macbee Planetエヴァンジェリスト・佐野敏哉氏の書籍『解約新書 マーケッターに捧げる解約の真実と処方箋』(幻冬舎MC)より一部を抜粋、チャットボットを導入したFODを例に解説していく。

チャットボットの誘導によって解約率が35%下がった

◆「配信カレンダー」の存在を知らせて継続につなげる

 

FODで配信されている作品は4万5000本以上と大変な数になります。そのすべてを知った上で利用している人はまずいないのではないでしょうか。そのため「配信カレンダー」で今月見られる作品、来月から始まる作品などを案内しています。

 

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チャットボットからもこの配信カレンダーを案内しています。トップページからも行けるのですが、解約ページに来た人にも、実はここで見られる作品が分かるからもう一度確かめてみてくださいという流れにしています。するとチャットボット経由で配信カレンダーを見て解約をやめる人がいて、解約をやめた人全体の5%になります。この5%の人たちは、見たかった作品がFODにあったのに見つけていなかったことになります。

 

また解約ページから問い合わせページにも行けます。やめる理由を尋ねるシナリオで「問い合わせページに行ってみる」という選択肢があり、これを選ぶとチャットボットが「ここから問い合わせをしてください」と案内します。そして問い合わせページに行くと35%が解約を思いとどまります。

 

これらの人たちにとっては、配信カレンダーや問い合わせページがどこにあるか分かりづらかったのかもしれません。それ以上に、ここではチャットボットがなんでも案内役のコンシェルジュのような仕事をしていることに注目したいと思います。

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