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満足度を分けた「住居費の余白」と「中古物件」に潜むリスク管理の違い
一方、小林さんと同じ時期に住宅を購入しながら、家計を健全に維持しているケースもあります。それが、伊藤拓也さん(42歳・仮名)です。都内城東エリアにある築15年の中古マンションを5,200万円で購入しました。世帯年収は小林さんと同水準の1,300万円台でしたが、借入額は4,500万円にとどめました。
「築15年の物件を選んだ理由は、過去の大規模修繕履歴と積立金の残高が明確だったからです。毎月の支払額に余裕があるため、金利が上昇しても日常生活に支障はありません。本当に買ってよかったと感じています」と伊藤さんは話します。
住宅金融支援機構『住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)』によると、住宅ローン利用者の75.0%が変動金利型を選択しており、前回(2025年4月調査)から4.0%低下しています。
変動金利は借入当初の金利が低く設定される傾向がある一方、将来的な金利上昇によって返済負担が増える可能性があります。また、金融機関によっては、金利が上昇しても一定期間は毎月の返済額を据え置く「5年ルール」や、返済額の増加幅を抑える「125%ルール」を設けています。ただし、これらのルールが適用される場合でも、金利上昇によって利息の負担が増えることに変わりはありません。
東京で家を購入し、後悔する人と満足する人。その間を分けたのは、予算設定における「余白」の有無でした。後悔を抱える層は、当初の返済額を基準に新築物件を購入した結果、金利や維持費の増加によって家計のやりくりが難しくなることがあります。それに対して満足している層は、収入に対して借入額を意図的に抑え、中古物件を含めた選択肢から維持費の透明性が高い住居を選んでいました。
住居費が長期的に家計を圧迫しない水準にとどまっているかどうか――住宅購入の成否を分ける境界線といえます。