(※写真はイメージです/PIXTA)
年収800万円、4,500万円のマンションは買えるけれど…
相談に来られたのは、30代のシングルマザーです。小学生のお子さんが一人。大企業に勤務し、年収は約800万円あります。
購入を検討していたのは、神戸市内にある4,500万円の中古マンションでした。年収800万円であれば、4,500万円の住宅ローンを組むこと自体は十分に考えられます。しかし、私が気になったのは、購入後の家計の余裕度でした。
住宅ローンの返済に加え、マンションには管理費や修繕積立金、固定資産税などの負担があります。さらに、お子さんはまだ小学生。これから中学、高校、大学と進学するなかで、教育費も増えていく可能性があります。相談者は一人で子育てをしながら、家計を支えていかなければなりません。
私の見立てでは、4,500万円のマンションを購入することは可能でも、生活の余裕はかなり小さくなります。しかも、相談者が不安を感じていたのは、購入金額だけではありませんでした。
内見から1週間で契約。資料もほとんどない
物件を紹介したのは、誰もが知っている大手不動産仲介会社でした。
相談者はマンションを内見し、その約1週間後には売買契約を結ぶ予定になっていました。ところが、登記簿謄本など、物件を判断するための資料はほとんど渡されていません。相談者は契約が近づくにつれて怖くなり、私の事務所を訪ねてきたのです。
確認できた管理規約にも、気になる点がありました。ペットの飼育は可能ですが、年に1回、飼育しているペットの写真を提出するなど、管理上のルールが厳しい印象でした。また、上階には地権者が住んでいるのではないかと感じられる事情もありました。
もちろん、管理規約が厳しいことや、地権者が住んでいること自体が問題とは限りません。しかし、購入前には管理規約や権利関係、建物の管理状況などを確認し、納得して契約する必要があります。それにもかかわらず、仲介会社は契約を急がせているように見えました。
さらに、価格交渉にも不可解な点がありました。実はこの物件には先に購入希望者がおり、その人は売主と100万円の値引きで合意していたそうです。ところが、その話が流れて2番手だった相談者に順番が回ってくると、今度は「値引きはできない」という説明でした。
私は、購入を急ぐ必要はないと考えました。