(※写真はイメージです/PIXTA)
「1億円を切っているから安いと思うんです」
東京都内にお住まいの20代のご夫婦から、マンション購入について相談を受けました。
ご夫婦は共働きで、世帯年収は約1,300万円。購入を検討しているのは、東京都内にある築25年、3LDKの中古マンションです。価格は9,800万円。
「1億円を切っているから安いと思うんですよね」
ご夫婦はそう話していました。
東京都内ではマンション価格が高騰し、1億円という価格も以前ほど珍しいものではなくなりました。
ご夫婦が購入を考える理由は、ほかにもありました。職場の同僚が次々とマンションを購入していることです。周囲が住宅を購入すると、自分たちも早く買わなければと焦る気持ちは理解できます。
また、ご夫婦は将来の売却も考えていました。東京都内のマンションなら、今後も一定の資産価値が期待できるのではないか。そして、共働きの収入を合算したペアローンなら、9,800万円のマンションでも購入できるのではないか。
そんな考えでした。
9,800万円になると、数百万円が小さく見える
高額な住宅を検討していると、金銭感覚が変わってしまうことがあります。9,800万円と1億円の差は200万円。1億円近い価格を見ていると、200万円の違いが小さく感じられるかもしれません。
しかし、200万円は決して小さな金額ではありません。500万円や1,000万円の違いも、住宅ローンで返済するには大きな負担です。
しかも、住宅購入には物件価格以外にも費用がかかります。9,800万円のマンションなら、仲介手数料は通常の上限額で税込330万円。さらに登記費用や住宅ローン関係の諸費用なども必要です。物件価格が高額になるほど、こうした費用も大きくなります。
また、ペアローンを利用すれば、夫婦それぞれの収入をもとに借り入れができます。世帯年収1,300万円なら、9,800万円の住宅ローンも金融機関や借入条件によっては審査の対象になります。
ただし、「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は別です。
仮に9,800万円を35年間、金利1%、元利均等返済、ボーナス返済なしで借りた場合、毎月の返済額は約27万7,000円。金利2%なら約32万5,000円、3%なら約37万7,000円になります。さらに管理費、修繕積立金、固定資産税なども必要です。
共働きを続ける前提であっても、出産や育児、転職、病気などで一方の収入が減る可能性も考えておかなければなりません。