年収1,000万円の会社員と、純資産2億円を持つ不動産投資家。どちらがお金持ちなのでしょうか。収入が多くても資産が少ない人もいれば、資産があっても生活費に使える現金が少ない人もいます。重要なのは、資産を表す「ストック」と、継続的に得られる収入を表す「フロー」の両方です。30歳から不動産投資を始め、45歳でFIREしたCFPの竹下昌成氏が、自身の考えるお金持ちの定義と経済的自立の基準を解説します。
「年収1,000万円」と「資産1億円」はどちらがお金持ちなのか。45歳でFIREした現役大家が考える、FIREするために必要な金額【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「年収1,000万円」と「資産1億円」はどちらがお金持ち?

「お金持ち」と聞いて、どのような人を想像するでしょうか。


年収2,000万円の会社員。金融資産1億円の資産家。家賃収入が年間3,000万円ある不動産投資家。どの人もお金持ちに見えますが、実際の経済状況はわかりません。


私は、お金持ちを判断する際に「ストック」と「フロー」の両方を見ています。ストックとは、現預金、株式、投資信託、不動産などの資産です。ただし、借入金などの負債があれば差し引く必要があります。


例えば、総資産3億円でも借入金が2億5,000万円あれば、純資産は5,000万円です。一方、総資産1億5,000万円で借入金がなければ、純資産は1億5,000万円になります。金融資産だけを資産として扱う考え方もありますが、私は不動産も含めた純資産で判断するのが現実的だと考えています。


フローは、給与、家賃、配当、事業収入など、継続的に入ってくるお金です。ただし、収入額と実際に使えるお金は違います。


特に不動産投資では、家賃収入から経費や借入金返済などを差し引いたキャッシュフロー(CF)を確認する必要があります。私が考える「お金持ち」の目安は、純資産1億円以上、かつ年間CF1,000万円以上です。


資産と収入の両方を備えている状態を、一つの基準にしています。

資産という「ストック」から収入という「フロー」が生まれる

ストックとフローの関係を、私は水の入ったコップに例えています。コップにたまった水がストック。そこからあふれ出る水がフローです。不動産を所有すれば家賃収入が生まれます。株式を保有すれば配当金を受け取ることがあります。


もちろん、空室や減配もあるので、必ず収入が得られるわけではありません。それでも、資産を保有することによって継続的な収入を得られる仕組みは資産形成の基本です。


一方、給与収入は自分が働くことによって得られます。年収2,000万円の会社員でも、収入の大半を生活費に使い、資産がほとんど残っていなければ、退職後も同じ生活を続けられるとは限りません。逆に、年間CFが1,000万円ある資産家なら、給与収入がなくても生活を維持できる可能性があります。


高収入であることと、経済的に自立していることは違います。私は、給与などで得た収入を資産に変え、その資産から新たな収入を得ることを重視してきました。