(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の住まいとして、食事や生活支援が受けられる有料老人ホームを選ぶ人もいます。入居を検討する際、特に気になるのが毎月の利用料でしょう。ただし、施設に支払う基本料金のほかにも、医療費や介護サービスの自己負担などが発生する場合があります。入居時には問題なく支払えると思っていても、年齢を重ねるにつれて、当初の資金計画を見直す必要が生じることもあるようです。 ※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。

月額25万円から…入居5年目に明らかになった追加費用

「施設に払うお金は、今も月25万円くらいだと思っていたんです。でも、実際にはずいぶん違っていました」

 

義夫さんはそう振り返ります。

 

夫婦の基本利用料は、料金改定もあって月約27万円に上がっていました。

 

これに加え、介護保険サービスの自己負担が2人合わせて月約4万円、医療費や薬代が月約2万円、通院時の付き添いなど施設の個別有料サービスが月約3万円。

 

さらに、日用品や理美容、衣類の購入などに月約2万円かかり、支出は合計で月約38万円になっていました。

 

「年金が月30万円なので、毎月8万円ほど足りない計算です。入居したころは、こんなにかかるとは思いませんでした」

 

施設の利用料以外にも、入院時の自己負担や家族との外出費など、月によって大きな支出がありました。

 

厚生労働省『令和6年社会福祉施設等調査』によると、2024年10月1日時点の有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅を除く)は全国で1万8,460施設あり、前年から627施設増加しています。

 

有料老人ホームの料金体系は施設によって異なり、基本利用料に含まれるサービスと、別途料金が発生するサービスを確認することが重要です。

 

実際、自治体が公開する有料老人ホームの重要事項説明書にも、介護保険の自己負担、医療費、おむつ代、通院付き添いなどを別途費用として定めている例があります。

 

義夫さん夫婦の場合、入居時に残った5,000万円の預貯金は、5年目には約4,300万円になっていました。基本利用料が年金収入の範囲内だった時期にも、旅行や医療費、家族への贈り物などで預金を使っていたためです。

 

「4,000万円以上残っているなら大丈夫だろうとも思いました。でも、今後もっと介護が必要になったら、いくらかかるのか分かりません」

 

義夫さんが不安に感じたのは、毎月の赤字額だけでなく、その状態が何年続くか見通せないことでした。

 

長女の美紀さん(52歳・仮名)は、両親と一緒に施設の相談員に話を聞き、今後の費用について確認しました。介護度が変わった場合の自己負担額、追加サービスの料金、入院が長引いた場合の居室費用などを整理し、必要に応じて契約書や重要事項説明書も見直したそうです。

 

そのうえで、毎月の支出を家計表にまとめ、預貯金からいくら取り崩しているかを確認することにしました。

 

「入居したら、もう住まいの心配はないと思っていました。でも、入ってからもお金のことは考え続けないといけないんですね」

 

義夫さんは、今後も夫婦で同じ施設に暮らしたいと考えています。

 

一方で、必要性の低い個別サービスを見直し、定期的に支出を確認することにしました。

 

有料老人ホームへの入居を考える際は、現在の月額利用料だけでなく、介護が必要になった場合の費用や料金改定の可能性も含めて検討することが大切です。入居後も家計の状況を確認し、将来の支出に備えた資金計画を見直していく必要があるでしょう。

 

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