孫との時間は、祖父母にとって大きな楽しみのひとつです。一方、ソニー生命保険の「シニアの生活意識調査2025」によると、孫のために出費したシニアの年間平均額は11万3,074円。食費や外食、レジャー費に加え、滞在中の世話には体力も必要です。「年金月22万円」で暮らす69歳のミチコさんも、お盆明けに小学1年生と3年生の孫を迎えましたが、わずか3日で「もう限界」と感じることに。何があったのでしょうか。
もう勘弁です…〈38歳長女〉は帰省中も実家で在宅勤務。〈年金月22万円〉69歳祖母が小学生の孫2人の世話に3日で限界を迎えたワケ ※写真はイメージです/PIXTA

孫たちの世話で汗びっしょり

初日は家でゲームをしたり、おやつを食べたりして過ごしました。しかし、元気いっぱいの男の子2人が一日中家の中で満足するはずもありません。翌日、ミチコさん夫婦は孫たちを連れて近くのショッピングモールへ出かけました。昼食を食べ、おもちゃ売り場を見て、ゲームコーナーへ。

 

「お昼を食べて少し買い物したら帰るつもりだったんです。でも子どもって、次はあっち、今度はこっちでしょう。夫と2人で追いかけていました」

 

さらに別の日には、孫たちが見たがっていたヒット中のアニメ映画へ。

 

映画館なら涼しいし、座っていられる。これなら少し楽ができるかもしれないと思いました。

 

ところが上映前には飲み物やポップコーンを買い、映画が終われば、

「何か食べたい」「まだ帰りたくない」と続きます。

 

気づけば、一日がかりのお出かけになりました。

 

そして、ミチコさん夫婦を悩ませたのが暑さです。

「長野といっても、普通に暑い。孫たちにも『長野なのに暑いじゃん』って言われました(笑)。孫たちに付き合ってバタバタしていたら汗びっしょりでした」

 

年齢を重ねたミチコさん夫婦にとって、それは思った以上の負担でした。

年金月22万円、孫2人が来ると食費も変わる

負担は体力だけではありませんでした。普段、ミチコさん夫婦は2人暮らしです。昼食なら、前日の残り物や麺類で簡単に済ませることもあります。夕食も食べ切れる量だけ作り、なるべく無駄を出さないようにしていました。

 

しかし、育ち盛りの男の子が2人加わればそうはいきません。

 

朝食を片付けたと思ったら、「お腹すいた」と声がかかります。

 

昼食、ジュース、お菓子、アイス、夕食。冷蔵庫の中身が驚くほどの速さで減っていきました。外出すれば、さらに昼食代や映画代、飲み物代などがかかります。

 

「もちろん孫に使うお金が惜しいわけではないんです。でも、夫婦2人の生活とはお金の出ていくスピードが全然違うなとは思いました」

 

ミチコさん夫婦の年金は月22万円ほどです。

 

日本年金機構によると、2026年度の「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金額」は月23万7,279円。これは平均的な収入で40年間就業した夫と妻を想定したモデルケースですが、ミチコさん夫婦の年金額はこの水準をやや下回ります。

 

普段は夫婦2人の生活に合わせて支出をコントロールできても、家族が増えれば食費やレジャー費は一気に膨らみます。

在宅勤務でも、孫の世話は「じいじとばあば」

一方、長女は朝から仕事です。実家の一室にパソコンを置き、オンライン会議にも参加していました。昼休みになるとリビングへ出てきて、「お母さん、ありがとう。助かる」とは言ってくれます。

 

しかし、休憩が終われば再び仕事へ戻ります。

 

「在宅勤務だから娘も家にはいるんです。でも、仕事しているから子どもの面倒を見られるわけじゃない。考えてみたら、朝から夕方まで私たちが預かっているのと同じなんですよね」

 

小学3年生と1年生では、まだ完全に放っておくことはできません。兄弟げんかが始まれば止め、外へ行きたいと言われれば連れ出す。食事やおやつの時間になれば準備も必要です。

 

「娘が会社に行っていて家にいないのと、結局そんなに変わらなかったかもしれません」

 

ミチコさんは苦笑します。